金字塔(7/7)


「君のような男に継承を認めて、それが後々どう転ぶのか見てみるのも悪くないかもしれません」
「継承?僕はそんなものには興味ありませ、クハッ!」
「私を置いて行ったら意味ないじゃないですか」
「骸――!?それに、アル!?」


跳び蹴りの要領で骸くんの顔面を蹴り飛ばした。どうもこんばんは、と沢田くんに挨拶を入れる。


「クッ…!やりますね、アル」
「うるさいですね。貴方はもう用済みなんです。とっとと帰ってください。いや失せろ脱獄囚」
「辛辣――!?」


いいから去れ、と手を払うと骸くんは嘆きつつ帰って行った。彼の姿はクロームさんのものへと戻る。彼が関わると物事が慌ただしくて仕方がない。

こうして無事、彼女の継承が終わった。これでも心配していたのですよ?と言うと、クロームさんはいつものように頬を染めながら「…ごめん」とだけ言った。謝るのではなくて他の言葉が欲しかったのですがね、とポンポンと頭を撫でた。


「稲葉アル」とプリーモから名前を呼ばれたので、そちらを向いた。


「守護者でないにも関わらず、よく俺の頼みを聞いてくれた」
「いえいえ。お礼はボンゴレ9代目の枕元に立って『ヴァリアーの運用金を増やせ』とだけ言ってくれればそれで構いませんので」
「結局金かよ!!」


世の中金なんですから、当然のことでしょう、沢田くん。

沢田くんの継承も、プリーモの意志を継いでいるからということで何事もなく終了。これにて全ての継承が済まされた。


「ではマーモン様。帰りましょうか」
「やれやれだね」


「あの」と呼び止められた。振り返ると呼び止めたのはクロームさんだとわかった。


「あ、ありがとう」
「礼を言われる覚えはないよ。君自身、少しは腕を上げてたみたいだったしね」
「テメェこんなとこにいやがったのかァ!!探したぞぉ!!」


背後からスクアーロ様に鷲掴みにされたマーモン様が「ムギャッ」と呻き声を上げた。お可哀想に。マーモン様の頬を引き伸ばししながら、ベルフェゴール様がこちらを向いた。


「ししし。勝手に遊び回って、ボスかんかんだよ?」
「遊んでいた覚えは…いえ、早く帰りますか」


ザンザス様のストレスはスクアーロ様に向かうでしょうが…私が被害者となるわけではないので良しとしましょう。


<<< >>>

back




×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -