星の瞬き | ナノ

  修行の最中


オレ達は波の国から帰国後、新たな生活習慣を付けつつあった。

任務終了後、解散を告げられれば修行を開始する。任務で疲れきった体にはハードなスケジュールだ。


修行の内容は日によって帰るようにしている。飽きれば集中力が減退し、成果が出ないからだ。

時には里をひたすらに走り回り。
時には男女関係なく組み手をし。
時には幻術を掛け、解くことを繰り返し。


そんなこんなで今日はチャクラコントロールの修行だ。

波の国でオレがした、変化をした状態で枝にぶら下がるもの。ぶら下がっていれば頭に血が上るので、幹に垂直に立つことに変更はあるが。


ちなみに今のオレの姿は前世のもの。
萌木色の浴衣に軽く結い上げた頭。自分に違和感をあまり感じさせないことがいい。


「で、なんでオレがこんなことをしなくちゃいけない!」


そう言ったのはサスケ。今は変化をしているが。

ロングのツインテールに全身黒で短パンの姿。いわゆるサスコちゃんだな。ツンデレにはお似合いの恰好だ。

サスケは女の子の格好をするのがそんなに恥ずかしいのか、頬を紅潮させている。


「へえ、師匠にそんな口を聞くんだ?スカートを要求しないあたり感謝しなさい」


本当はもっと過激なものを要求してもよかったのだけれど、と言えば口答えをしなくなった。


「それにしてもナルセ、あんた成りきってるわね。完全に女そのものの口調よ」


そう言ったのはピンクの髪をしたイケメンくん。サクラくんだ。

今の私より高い身長に、スリムなパンツスタイル。サクラが思い描くイケメン姿に、と要求すればこうなった。


「役に成りきってこそなんだよ、サクラ」


本当は自分は女だけれど、と心の中で呟く。



「それにしても、二人共アカデミー卒業の時とは比べ物にならないくらい強くなったね。サスケはチャクラコントロールがうまくなったし、サクラはコントロールを持続する体力がついた。


サスケはそのまま自分の火力を伸ばしていけばいい。そうだな、カカシ先生あたりに写輪眼の使い方を教えてもらえばいい。いろはを教えてもらえば、サスケならすぐに使いこなせるようになるだろう。

必要なことだけ吸収し、あとは一族であるからこそ持てる持久力を伸ばしていけばいい。


サクラはそのチャクラコントロールを活かして医療忍者を目指すのはどうだろうか?サクラの繊細なチャクラコントロールは医療忍術に向いている。

いつか医療忍術の師を持つまで私ができる限り指導していこう。サクラはきっと屈指の医療忍者になれる。


よし、今日はここまで」


一足先に木から降り立ち変化を解く。

ずっと立ちっぱなしだったから体が凝ってしまった。二人も木から地面に着地して変化を解く。


「ねえ、三人で甘味処に行かない?」


これも変わったところだ。波の国から帰った後、皆が何かと構うようになったのだ。

オレとしては二人でいちゃついているのを見るので十分なので、断らせてもらう。が、そうさせてくれないのがこの二人だ。


「ほら早く行くわよ」

「とっとと行くぞ、このウスラトンカチが」


がっとりと二人に両腕をホールドされ、逃げられない。まるで子供に引き摺られる親の気分だ。


こんな日々が、オレの毎日となりつつある。


弟子達の我が儘
(あー、オレってば今日金が…)
(そのぐらい貸すわよ!)
(ほら、さっさと歩け)


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