星の瞬き | ナノ

  鬼たちとの再戦A


走った。

走って走って走って。
一刻一秒でも早く追いつけるようにと、間に合うようにと走った。

橋が見えた。
サスケと白が死闘を繰り広げているのが見えた。


間に合ったと思った。
話の通りだと思った。
オレの知っている未来だと思った。



でも違った。




「仲間の死は初めてですか…」


呆然と、血だらけになったサスケを見据える。
写輪眼は開眼していた。技のキレも良かった。

でもサスケは負けた。

サクラはサスケが死んだと思い込み泣きわめいている。


「戯言はよせ。オレをこんなもので騙せると思うな」


重く苦しい殺気を放つ。ビシビシと肌を痛めるほどの殺気だ。白は思わず震えた。

この子供は、奥に禍々しいほどの怖い、何かを抱えているのだと。


ああ、でも今はこんなことをしている場合ではないな、と殺気をおさめ微笑を浮かべる。しかし、白にはそれが恐ろしいものに見えた。


「話は考えてくれたかな?」

「…ボクは再不斬さんについて行くまでです」


つまりはボクに聞いてくれるなと。

ならばその再不斬に聞こうではないかと、別の二人に目を向ければ、そこには二人と対峙するオレがいた。



*****




「桃地再不斬、聞け。もうすぐガトーがやって来る。返事を聞きたい」


カカシ先生は突然現れたオレに驚いたようだが、すぐに再不斬に視線を戻す。


再不斬の体には先生が口寄せした忍犬たちが噛みついていた。動きを封じられている。

先生の手には火花が散っていた。雷切か。膨大なチャクラだ。


「お前は危険すぎる…。お前が殺そうとしているタズナさんはこの国の“勇気”だ。タズナさんの架ける橋はこの国の“希望”だ。お前の野望は多くの人を犠牲にする。

そういうのは…忍のやることじゃあないんだよ」

「そんなこと知るか。俺は理想のために闘っていた…そして、それはこれからも変わらん!!」


二人は相対して睨み合う。

ちゃっかりオレのこと無視してくれちゃってるんだなー。口元がひくつく。

二人の意志は揺るがない。沈黙を破ったのはカカシ先生だった。


「もう一度言う」

「あ!?」

「諦めろ…お前の未来は死だ」


雷切を纏ったカカシ先生の腕が物凄い速さで再不斬に迫る。

カカシ先生と再不斬の間に割り込んだ影が一つ。白だ。


先生の腕は再不斬を庇った白を貫いたかと思われた。しかし、実際はぎりぎりの位置で腕を掴まれ止められていた。

五行の中で雷に優勢な風を腕に纏ったナルセによって。雷は勢いを失くし、徐々に消失していく。


ナルセはにっこりと笑って口を開いた。


オレのこと、無視してんじゃねえよ


ぞくぅと背筋に悪寒が走る。


「九喇「うわぁぁああああ!!ゴメンってぇえええ!!


へこへこと謝り始めたカカシ先生に再不斬は目を細めた。


「(これが写輪眼のカカシか…)」







「さて、再不斬。時間だ。答えを聞こう」






「おーおー、派手にやられてェ…がっかりだよ、再不斬」


そう言いながらやって来たのは再不斬の依頼人、ガトー。

背後に数百人の部下を引き連れ近付いてくる。部下は各々それぞれの武器を携えている。


ガトーは嫌らしく笑い、己の思惑を話し始める。お前達には元々金を支払うつもりはなかった。弱ったところを殺すことによってな、と。


「さあ、どうする?」

「…フン。気に食わないがお前の誘いに乗るしかないようだな」


どうやらカカシ先生は状況が把握できていないようだ。困ったような目をこちらに向けている。



「桃地再不斬、および付き人白。三代目火影代理人の名において君達を木ノ葉の忍として迎え入れる!」


つまりは味方宣言ということだ。
先生も、ガトーも目を見開いている。

昨日の敵は今日の友、ってな。


「再不斬、ガトーはあんたが殺りたいだろう。少しだけ回復してやる」


医療忍術を再不斬の体全体に施す。淡い光が再不斬を包み、傷が癒えていく。


「白は再不斬の援護を頼む。先生、今何をすればいいかわかってますよね?」


再不斬は刀を担ぎ上げ、白はいつでもいけるように構える。カカシ先生は仕方ないと肩を竦ませる。


「全部終わったら聞かせてもらうからね」

「何を聞きたいんでしょうかね?

サクラー!おっさんのことよろしくーーっ!!」


わかったわー!との返事が。

声が幾分元気なものに聞こえるのは、きっとサスケが息を吹き返したからであろう。サクラの肩を借りて力なく手を振っている。


お、おお!この光景は素晴らしい!!
これぞオレが追い求めていたサスサク!後で囃し立ててやらねばな!

…げふん





さて、行きますか。


「なんだお前ら。そんな人数で刃向おうってのか?」


それはどうだろうな、とふふんと鼻で笑い影分身の印を組む。十人ほどのオレの影分身。これが切り込み隊長だ。


「「「行くぜェ!」」」


分身を先頭にオレ達は走り出す。オレの後ろに再不斬、白。最後にカカシ先生。

分身が邪魔となる部下どもをなぎ倒し、間をすり抜けて行こうとする輩は白が千本で応戦する。背後から襲ってくる不届き共はカカシ先生が次々と吹っ飛ばしていく。


あれこれしている内にあっという間にガトーの目の前へ。


「  終 わ り だ  」


再不斬の刀が舞う、ガトーの首が飛んでいく。
ふん。悪党にはお似合いの最期だな


残った奴らは怯むも、まだ戦う意思を見せる。オレ以外の体は皆もう限界だ。どうするかな、と考えている中男たちの足元に矢が突き刺さる。


「これ以上この島に近付く輩は、島の全町民の全勢力をもって生かしちゃおけねぇ!!!」


見れば武装した町民達がいた。絶望に打ちひしがれていた瞳には希望が宿っていた。武装した町民の中にはイナリもいる。


「イナリ!」

「へへっ、ヒーローは遅れて登場するもんでしょ」

「…そうだな!」


もう一度影分身の術を使い、分身を増やす。先ほどとは比べ物にならない数、数百体の分身だ。

敵は数に圧倒され完全に意気消失した。わらわらと逃げ去っていく。勝利を手にした町民からは歓声が上がった。



「正義は最後に勝つもん、ってな!」



スカウト成功、のち共闘
(さーって、どう説明すっかな)


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