閑話
「父さん、聞いてくれよぉぉぉおおお!!」
カカシ先生との演習があったその晩、布団に入って精神世界に行くなり父、ミナトさんに泣きつく。
「ん!?何があったの?」
父さんの姿を見るなり勢いをつけて抱きつくが、そこは腐っても忍。少しよろけるぐらいでしっかりとオレの体を受け止める。
「オレは忍者になりたくないんだよぉぉぉおお!!」
カカシ先生め、オレが忍者になるのが強制だとか…
許さないぞぉぉおお!!
父さんは微妙な顔をしてあ〜とか、う〜んとか言ってる。そこに母さんがやって来てオレにそっと耳打ちする。
「ミナトはナルセに忍になって欲しいんだってばね」
「へ?」
何だって!?
父さんの顔を見れば、照れくさそうに頬を掻いている。
「ん、僕はナルセに火の意志を継いで欲しいんだよ」
ポカーン
父さんからの言葉に唖然とする。
そんなこと思ってたのか、父さん
「でも父さん。忍とは何かを守りたい人がなるもんだろ?っ、今のオレには一番守りたいものが側にいない…」
言葉を紡ぐにつれ、オレの声はだんだんと小さくなっていく。
「オレにとって一番に守りたいものは後にも先にも彼女ただ一人だ。彼女は絶対に自分以外の大切な人を見つけろって言う。
でも、駄目なんだっ!どうしても彼女のことを忘れられないんだッ!」
涙が、ぽろぽろポロポロと堰を切ったように溢れ出る。
彼女以上の大切なものなんてできるかどうか自信がない
今のオレは彼女に顔向けできない
父さんは眉を下げて口を開く。
「その、ナルセにとって大事な人はナルセに今何をして欲しいと思っているのかな?」
彼女がオレに望むこと…?
「今のナルセは逃げてるだけじゃないかな?
その人はナルセに今を精一杯に生きて欲しいと思ってるんだよ。だから、ナルセに大事な人を見つけろと思わせてるんじゃないかな?」
「そう、かな?」
そうだよ
二人は穏やかに微笑む。
「今守るものが一番じゃなくても、いい?」
「「もちろん だよ/だってばね」」
君は怒らない?
今までオレがぐじぐじ悩んでいたことを。
君なら遅いって怒るだろうな
それで、最後には笑って許してくれるんだ
誰かを守りたいと思ってもいい?
大切だと思ってもいい?
今を生きてもいい?
君を一番に想うから
お悩み相談―――――
なんだか一章につき一つの後書きになりつつあります。皆さんどうもお久し振りです。何やら閑話ばかりがシリアス調になりつつ…閑話が本編っぽくなっちゃってますよw
主人公ちゃんは“彼女”に依存しまくり。これからも“彼女”は本編によく絡んできます。
めんどくさがりで、全然ナルトっぽくない主人公ちゃんですが、どうぞよろしくお願いします
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