星の瞬き | ナノ

  作戦会議


本日の任務が終わり、帰宅する。日は既に傾き、カラス達が子供の帰宅時間を知らせている。


玄関を開ければ、自分の物でない靴が三足。リビングに行けば、部屋で寛いでいる赤色と黒色と金色。


「やあ、いらっしゃい。今日は初めましての人もいるみたいだってば」

「邪魔してるぜ」

「久し振りだな」


久しぶりに会う二人に軽く挨拶を交わし、初対面の人間と向かい合う。


「初めましてだってば。オレはうずまきナルセ」

「デイダラだ…うん。よろしくな」


彼はオレに似た金髪を揺らしてにかりと人当たりのいい笑みを見せる。それにやんわりと笑って返す。


キッチンに行き、お茶の準備を。

湯呑を四つ、食器棚から取り出し茶を注ぐ。渋みの効いた匂いが部屋を満たす。


お客の前にそれを出して、オレもソファに腰掛ける。向かいにイタチとデイダラ。オレの隣にサソリが座る。

そこは芸術コンビ同士、隣り合わせで座るんじゃないのか?と訊けばじゃんけんで決めたと返された。


「騒がしいヤツも一緒ですまねえな。どうしてもと言われてな」

「気にしないでいいってば。ゆっくりしていきなよ、デイダラさん」


熱い湯呑を抱えて手を温める。


「デイダラで構わねえよ。

それにしてもサソリの旦那とイタチが気にかけているのがこんなチビだなんてなぁ…うn「ごめん、やっぱり今日は帰ってほしいってば」

「ソォラァ!!」
「……」
「ちょ、旦那!傀儡の毒を向けるなよ!イタチも写輪眼を向けるな!…うん!」




*****




「それでだ。リーダーから巻物を預かっている」


イタチが懐から巻物を取り出し、それを受け取る。

デイダラ?そこらで伸びてるよ


巻物を広げれば、几帳面な文字が並んでいる。小南姉さんの文字だな、きっと

さっと目を通して問題が無いか確認をする。


「そうだね。それじゃあこのままで頼むってば。ついでに長門兄さんの薬を頼んでもいいか?」


構わないと頷かれたので、薬の入った紙袋と一緒に巻物を返す。


「イタチの薬はこっちだ。飲み忘れるなよ?」

「いつもすまないな」


いえいえどう致しましてと軽く返し、お茶請けの団子に手を伸ばす。


「それにしても、暁も変わったもんだよね」


原作ではあんなに非道な組織だったのに、としみじみ思う。


「変えたのはお前だろう」と言ったのはイタチ。それならば嬉しいんだけどな。


「それよりもサソリ。この手はなんだ」


指差すのはオレの頭を撫で繰り回すサソリの手。


「あ?気にすンな」

「気にするわ、ボケェ!いつまでもオレをチビ扱いするなってば!」


がああ!と手を振り上げて叫ぶ。

こいつ…オレの精神年齢を知ってる数少ないやつだというのに、いつまでたっても子供扱いしやがる。


「ん?お前髪染めたか?」

「いんや。オレのはぜーんぶ地毛だぜ」


んなチャラ男みたいなことすっかよ、はっはっは☆
本音を言えば髪が傷むのが嫌なだけなんだけど


「お前の髪の根本の部分、黒くなってンぞ」


な、何だと!?

洗面所に駆け込み鏡で確認する。


…黒くなってるよ

どっちかというと金髪と黒髪が混ざったような感じだけど。なんか微妙な感じだが


「これはこれでいっか」


いつか言ったようにオレはアジアンビューティーが好きだからな。余は満足じゃ!


「ではそろそろ帰るか」


イタチの一声で二人は腰を上げる。サソリはそのままデイダラを起こしに。げしげしと踏みつけながらおい、起きろと声をかける。


「リーダーがたまには顔を見せろと言っていたぞ」

「うーん。時間があれば会いに行くってば」


オレも見送るために玄関に向かう。


「これ、お土産のカステラだ。皆で食べて欲しいってば」


なんだか伸びていただけのようなデイダラに包みを渡す。

隣でイタチが「団子じゃないのか…」と言っていたのは聞いてない。


最終決定
(久し振りに兄さんと姉さんにも会いたいな)


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