一国一城のお嬢様
「ナルセってお姫様みてぇだな」
唐突に飛段が言った。思わず飲んでいたジュースを噴き出してしまいそうになった。オレと飛段が座っている傍に何だ何だとデイダラが寄って来た。
なんだってそんなこと言うんだ、と問うと「だって全員から甘やかされてるじゃねぇか」と言う。いやそれに対しては否定できないけれど…うえっ、と顔を歪めた。
「不満なのかよ?」
「ったりめぇだ」
オレがお姫様なんて柄じゃない。そして気持ち悪い。それよりも寧ろオレは
「女王様と敬え!!」
「「そりゃ無理だ」」
即答。「うん」とデイダラは語尾に付け加えた。なんだと…!?跪いて頭を垂れよ!とか憧れるのに…バカな!?
会話を盗み聞きしていたサソリがぼそりと付け足した。
「どっちかというと高飛車なお嬢の方がお似合いだ」
「じゃあお嬢だな!」
なぜそうなった。
跪いて崇めなさい
(ナルセは今日からお嬢だな!)
(うっざ!女王陛下とお呼び!)
(こんな女王がいてたまるか…うん)
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