サバイバル演習A
さてさて、演習が始まってしまった。
うん。どうしようか
とりあえず影分身を作る。
「じゃ、君はカカシ先生のところに行ってほしいってば。
馬鹿を演じるのも大変だろうから、ナルトを真似ればいい。あ、千年殺しは避けてね」
あんな下品な技、死んでも食らいたくはない
オレは花も恥じらう乙女だぞ!
「了解ってば」
分身に指令を出してオレ自身は手頃な木の上に。気配を完全に隠す。
お、カカシ先生が見えるわ。
オレの分身も出てきた。
なんか宣言してる。
カカシ先生がポーチから本を取り出した。
怒った分身が、拳を蹴りを繰り出す。
カカシ先生はそれをものともせず、避け続ける。
「て、なんでオレ解説してるんだ?」
「知るか」
つれねーなーと九喇嘛の頬を引っ張る。嫌そうに体をよじるも振り払おうとはしない。
長年一緒にいると愛着が湧くってもんだ、なんだこいつ可愛いぞ
おっと分身がぶっ飛ばされた。影分身が消える前にもう一体作り上げて送り込む。
ちょうど分身が飛ばされたのは木の影だからうまい具合に入れ替わることが出来た。で、その分身は木に縄で括りつけられたと。
「カカシ先生もあれが分身だって気づいてるのかねぇ?」
「さあな。あの様子だと気づいてないようだが。まあ気づかれるようであればもう一度修行し直すがな」
くっくっくと九喇嘛は喉を鳴らす。
おーおー、恐ろしや
さてこっからはどうするか
二人に答えを教えに行くのも面倒だし、先の行動でオレの失格は確実だ。このままここで演習が終わるのを待つか?
「あぎゃああああああああああ!!」
「っと、」
サクラちゃんの悲鳴が響いた。結構な時間悩んでたんだな
というか、サクラちゃん。いくらなんでも声でかすぎだよ…
いい機会だ。男子の諸君、女の子の皆がみんな「きゃ!」なんて悲鳴が出るとは思わない方がいい。むしろサクラちゃんのような女の子が大半を占める。
…まああの音量は規格外だがな
そういえば彼女にこの話をすれば、「もっと男に夢見させてあげなさいよ」って言われたっけ?あの後二人で笑いあったんだけどな
「忍者になっても、彼女にはもう会えないんだから」
「ナルセ…」
そろそろ演習も終わりかな?
見れば分身はすでに縄から抜け出している。
――ジリリリリリ!!
制限時間を知らせるベルが鳴る。
演習終了だ。
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