時は進む
チクタクチクタク
時間は無情に進んでいく。
オレのことなど、まるで存在しないかのように扱いその針を進めていく。
つまりどういうことかと問われれば
「寝坊したっていうことだよね」
まだ成長途中の短い手足をうんと伸ばし時計のベルを止めれば、うずまきナルセの一日は始まる。
すでにアカデミーの授業は始まっているが、今悔やんだところで後の祭りだ。精々ゆっくりとしよう。
お馴染みとなった黒のハイネックに、パーカー、ズボンを身に着け仕上げにあの鈴のチョーカーをつける。
そしてそのまま朝食の準備に。
食パンをトースターに入れて、その間にベーコンエッグを作る。香ばしいベーコンの匂いが広がったところで九喇嘛がオレの影から顔を出す。
また遅刻か、みたいな顔をするな!
オレに合わせない時間が悪いんだ!!
トーストにマーガリンを塗って朝食の出来上がりだ。
オレの隣に九喇嘛が座って一緒に食事をする。
思うのだか、こいつは人間の食べ物を食べても大丈夫なのだろうか?ほら、よく人間の食べ物を与えないでくださいとか言うじゃないか
ぺしりと尾で叩かれる。
どうやら大丈夫だそうです
のんびりと食べ終えて歯磨きをする。
鏡に映った金髪碧眼。
「オレってば黒髪黒眼のアジアンビューティーが好きなんだってば」
眉間にできた皺をきゅっと直してニッと笑う。
大丈夫。あの二人からもらったもんだと思えば。
サスケからもらった眼鏡を装着して準備完了。
リビングに戻って授業道具が入ったかばんを持つ。
「九喇嘛ー、行くよー」
どこかでのんびりしていた九喇嘛を呼び寄せ、印を結ぶ。
飛雷神の術
一瞬でアカデミーの近くの林の木陰へと移動する。
いやー、家からだとアカデミー遠いから楽なんだよね。今日みたいな遅刻した日は特に。こういう使い方をするなって?細かいこと言うなよ
校舎に、教室の前に到着してがらりとその扉を開く。
「遅れました、すみませーん」
扉の近くの席が開いていたのでそこに座る。九喇嘛はオレの膝の上へ。ここがこいつの定位置だ。
オレは遅刻したっていうのに教師は何も言わない。いつものことだ。
というか教師がこれじゃあ木の葉の里も考えたもんだな。オレにはすごくでかいパイプがあるんだぞ、お前をクビにするのなんて容易いんだからな
むくりと隣の席のやつが体を起こす。
「くぁ〜…お前もめんどくせーやつだな。今日みたいな遅刻する日もあれば、やけに早く来る日もあるんだから」
「シカマル、いいか…時間がオレに合わせないのがいけないんだ。オレが遅刻したり時間を読み間違えるのはオレのせいじゃないんだ」
めんどくせーやつ、なんて言われる。
なんだよ、正論だろ?オレなんか間違えたか?まっさかー
九喇嘛がオレの膝をぺしりと叩く。
え?何それ。間違えてないだろ
で、それから実技の試験。手裏剣投げの練習だな
手本として先生とサスケが投げたサスケは全部真ん中に命中。先生顔負けだな。ちょっと女子がきゃーきゃーうるさいけど
そこから各自練習を始める。
オレが選んだのは一番端の的。誰も寄って来ないし、快適快適。
…と思ったが、なぜかサスケが来た。
「どうかしたかってば?」
「…別に」
よくわからんやつだな。
女子がすごい形相で睨んでるんだからとっととどこかに行ってほしいものだ
…っと、集中集中。狙うのは中心と端の丁度ど真ん中。あの黒いラインのところだな
ホルスターに手を突っ込み最低限の動きで投げる。
かっかっかとちょうど四隅に命中。流石オレ!
クラスのやつらはやっぱり落ちこぼれだとか言ってるけど気にしなーい
「わざと狙ったな」
「何の事だかわかんないってば」
はっはっは!
そんなこんなで成績は中の下をキープ
ビリを取ると第七班に組み分けられるし、良い成績を取ると妬まれるからな。このぐらいがちょうどいい。
そういや原作じゃあナルトは留年するんだよな?オレはそうじゃないんだけど。なんでなんだ?
ま、いっか。下手に留年して三代目のじーさんに迷惑かけるのも嫌だし
そんなこんなで毎日を生きています。
日常風景
(今日の晩飯はなにかな〜っと)
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