星の瞬き | ナノ

  ある意味王道ですよね


森の奥には一面桜だけの秘密の場所がある。花見にはもってこいの場所だ。

いやぁ、いいよね。花見心が落ち着くっていうか。やっぱり季節を肌で感じるのはいいことだよね


側でまったりしている九喇嘛と一緒に団子を頬張る。


あ、結局封印を解いた九喇嘛はよく実体化するようになった。毛色とかはそのままだけれど、サイズは普通の狐と同じくらい。


現実でも精神世界でも一緒にいるようになったオレ達の関係を表すならば、相棒という言葉が適切だろう。ちょっと生意気だけど。


ああ、それにしても団子がうまい。

こんないい日は何もな「ガササ」


…これなんてデジャブ?


音がした方に顔を向ける。そこには少年Aが。


とりあえず…

「団子、いります?」



*****




はむはむと団子を頬張り続ける少年A。

よく食うな。お前それ何本目だよ。結構な量を用意してたのにもうほとんど無いよ


ちらりと横目で少年の顔を見ればなかなかに整ったその顔。意外すぎんだろ。ギャップ萌えでも狙ってんのかよ

ごくりと喉をならして少年は口を開く。


「ありがとう、ご馳走になったよ名前は?」

「…うずまきナルセ。お兄さんは?」

「うちはイタチだ」


ですよね!背中のそのうちわマークに団子好きといえば、あなた以外いませんよね!?

ああ、オレってばフラグ回避できない体にでもなったのか?


「兄さん!」


なんかちっこいのも出てきたし!
いやオレも今ちっこいけど!


「誰だ、お前」


お前が誰だよ!
いやなんとなくわかるけど。わかってたけど!

もっと常識持てよ。隣でお兄さんが苦笑いしてるの見えるだろ?


「うずまきナルセだってば」

「…うちはサスケ」


デスヨネー

イタチさんに「兄さん!」って言いながら飛びつくのなんて弟君以外いませんもんね

あ、なんか涙出てきた

オレってば人とのつながりを絶ってでも生きたいっていうのに。なんでフラグ立ちまくるんだろう


「それより兄さん。何で急に走り出したんだよ」

「許せサスケ。団子の匂いがしたから、つい…」


どんな嗅覚だよ!
ここ、森の奥の奥だぜ!?
どうやって嗅ぎつけるんだよ


「あの、団子もらってくれて構わないってば。それじゃあ」


願わくはもう二度と会いませんように。


そう意味を込めて踵を返したのに、ガチリと肩を掴まれる。


「まあもう少しゆっくりしていけ」


もう帰れよ!
てかここオレのテリトリーだぞ。出てってくれよ

ほら、弟君も嫌そうな顔してるだろ!?


「兄さんがそう言うならここにいてもいい」


こんなところでツンデレ発動させるんじゃねぇよ!はっきりと拒絶しろよ、もう帰らせてよ!


「……忍法 風おこし」


緩やかな風をおこす忍法。

風の性質変化を使うが、ただ風をおこすだけの術。火を起こしたときとかに風を送り込むぐらいしか使う時がない

でもこれだけ桜に囲まれていれば、目眩ましぐらいにはなる。

桜吹雪の完成だ


九喇嘛を抱き抱え、素早く木の上に移って、そのまま枝から枝への移動を繰り返す。

ちらりと後ろを見ればサスケをおぶって追ってくるイタチが。

なんで追ってくるんだよ!?


スピードを上げて家へと向かう。複雑な道を、木と木に隠れるように移動しているからそう簡単に追いつけない。



しゅたっと家の前に降り立つ。ここまで来れば大丈夫だろうな


ほっと息を吐くのもつかの間。背後に人の気配が。


「なるほど。ここがナルセの家か」
「もう帰れよっ!」


思わず突っ込んだオレは悪くない



イタチさんとの出会いは
(サスケも来るとか意外だわ)
(これ以上フラグが増えるとどうなることやら…)


prev / next

[ back to contents | bookmark ]


×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -