1 ―ガラクタなんかに興味はない しっとり感滑らかな長い銀髪を揺らして、スクアーロは猫のように静かに真っ暗な廊下を進む。 しんとした広い屋敷は、まるで自分しか存在しないような感覚になる。 目的の部屋の前に着くと、ノックもせずに静かに重厚な扉を開けた。 そっと、音を立てないように。 静かに 静かに ベッドまでたどり着き、立ち止まる。シーツの中央の盛り上がった場所に感じた人の気配に、少し安心する。 気を緩めた瞬間、ベッドから手が伸びてきて二の腕を掴んでスクアーロを引きずり込んだ。 「っ!?」 「…カス…人の部屋で何をしている?」 スクアーロの二の腕を押さえつけている手に力が入る。 「悪い…起こしたかぁ?」 眉毛をシュンと下げてスクアーロばザンザスを見上げた。赤い両目がカーテンの隙間から差し込む月明かりに照らされて光る。 「自分の部屋で…お前の目、宝石みたいだよなぁとか思ってたら…なんか………」 「なんだ?」 スクアーロがふいっと顔を横向けた。 「なんていうか……う゛っ……ちょっと…一人が寂しくなって」 そむけた顔は心なし赤くなっていた。 (なんだこの可愛い生き物) ザンザスはなんかもういろいろ爆発寸前なのを必死で堪えた。 [mokuji] [しおりを挟む] TOP |