小説 | ナノ








―ガラクタなんかに興味はない



しっとり感滑らかな長い銀髪を揺らして、スクアーロは猫のように静かに真っ暗な廊下を進む。
しんとした広い屋敷は、まるで自分しか存在しないような感覚になる。




目的の部屋の前に着くと、ノックもせずに静かに重厚な扉を開けた。

そっと、音を立てないように。


静かに



静かに




ベッドまでたどり着き、立ち止まる。シーツの中央の盛り上がった場所に感じた人の気配に、少し安心する。

気を緩めた瞬間、ベッドから手が伸びてきて二の腕を掴んでスクアーロを引きずり込んだ。


「っ!?」


「…カス…人の部屋で何をしている?」


スクアーロの二の腕を押さえつけている手に力が入る。

「悪い…起こしたかぁ?」


眉毛をシュンと下げてスクアーロばザンザスを見上げた。赤い両目がカーテンの隙間から差し込む月明かりに照らされて光る。


「自分の部屋で…お前の目、宝石みたいだよなぁとか思ってたら…なんか………」


「なんだ?」

スクアーロがふいっと顔を横向けた。



「なんていうか……う゛っ……ちょっと…一人が寂しくなって」



そむけた顔は心なし赤くなっていた。




(なんだこの可愛い生き物)




ザンザスはなんかもういろいろ爆発寸前なのを必死で堪えた。



[ 43/191 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]
TOP
 



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -