1 ボスはねむってしまったんだって、スクアーロがいった。 「いつおきるの?」ってきいてもおしえてくれない。 うつむいてるスクアーロに「ケチっ」っていったらオカマがおこった。 べつのへやにつれていかれて、そしてこういった。 「いつ起きるかは判らないのよ。もしかしたらもう起きないかもしれない。信じて待つのよ。」 8年が経ち、8歳だった俺は16歳を迎えようとしていた。 スクアーロの綺麗な銀髪は長く長く伸びて、もう腰に届いた。 (ボス、王子と同い年になっちゃったよ) 最近、スクアーロが俺と距離を取るようになった。 そんなことで過ぎた時間が誤魔化されるハズないよ。 ヴァリアーにスクアーロより若い人間は俺といつまでも姿の変わらない赤ん坊・マーモンしかいないから、俺の成長が疎ましいみたい。自分のなっがい髪見たら?って思うよね。 昔は面倒見てくれるスクアーロに引っ付いてた俺は自然とマーモンと過ごす時間が増えた。 珍しくみんな揃っててポーカーをしていたときに、「来月はボスの誕生日」って言った。 禁句だった話題を出した。 スクアーロはあからさまに元々白い頬を青白くした。それを見たルッスにチラッとサングラス越しに睨まれ、レヴィはわざとらしく咳払いをした。 マーモンは俺の膝に乗ったまま、場の空気を伺っていて、部屋はシーンとしていた。 さぁ、スクアーロ。王子を楽しませてよ。 [mokuji] [しおりを挟む] TOP |