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「…」

視力低下を指摘されたザンザスは黙ってミスを直していた。
(図星かぁ…)


「お前なぁ、暗いところで仕事したり本読んだりし過ぎなんだぁ。あと食事!!肉ばっかり食べて…」

「るせぇ、カス」

直していた書類をばさぁっと宙へ放り投げ、ザンザスが立ち上がった。
「おまっ…なんてことしやがる…」

「拾っとけよ?」

「ぐぁっ」

すれ違い様に副官の横腹に拳をお見舞いし、暴君はそのまま執務室を出て行ってしまった。


「チッ……ガキかよ」




ザンザスは執務室を出てから自分の部屋へ向かっていた。
(…ガミガミ喧しいカスめ。母親かっつーんだ。)

ガツガツ足音をさせながら廊下を歩いていると、突如目の前に黒い壁が現れた。
「!」

「ぼっぼぼぼ…ボス?!!失礼しました!!大丈夫ですか?」
黒い壁はレヴィだったようで、かなり焦っていた。

「あらやだ〜ん。ボスの足音してたじゃな〜い?気付かないレヴィちゃんが悪いわよ〜ん」

チラッと横をみるとクネクネ動く緑色の頭をした大柄な人間がいる。
(そういえばしばらくこいつらの顔をはっきり見た覚えがないな)

「あら、ボスどうかしたの?眉間に皺、よってるわよ。もしかしてアタシの美しさが霞んでよく見えないのかしら〜」

「貴様、ボスになんて失礼なっ!」


「…そうかもな」

そう言うとザンザスはその場を立ち去ってしまった。
「え〜、ボス?!!どうしたの〜!?」
「ボス!!?」


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