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5


灰青の視線が宙を泳ぐ。




「なぁ・・、これって、その・・・・・」


「なんだ」



スクアーロの部屋の小さなソファは2人座るには少々窮屈なので、スクアーロを抱き上げると、ベッドへと向かった。

恥ずかしそうにモゴモゴと口篭る様はなんだか新鮮で普段ハッキリした性格の彼女からすると随分可愛らしい気がした。
ベッドに降ろしてそのまま覆いかぶさると、耳まで真っ赤にしてスクアーロが顔をそらした。




「その・・・、・・・・セックスすんの・・・・?」



「・・・・・・・・!」


ぶはっと思わず噴出してしまった。
そのあまりにも似合わないか細い声と少し震えている肩がなんだか可笑しく、そして愛しい。


「・・・今日は誰かのせいで仕事になりそうも無いし、本部からは休みだと言われたし暇だからな。」


隊服の上着のボタンに手をかけながらそう言うと、スクアーロは枕を掴んでザンザスに向かって投げた。


「・・・俺は暇つぶしなのかよっ!!」



ぷるぷると怒りに震えている彼女は、またじんわりと涙を浮かべた。

スクアーロは普段はどんな言い方をしようが、どんな扱いをしようが泣いたりはしない。
流石のザンザスもこのスクアーロはどう扱って良いのかがわからず、投げつけられた枕を抱えたまま唖然としてしまっていた。


「・・・う゛・・・・っ・・・ぁぁ」


「・・・違う、・・・」



本格的にぐずり始めたスクアーロに、つい普段は口にしない謝罪の言葉が出そうにる。
なんということだ、そんなことボスとして、主人として威厳も何も無いじゃないか。
プライドが天より高いザンザスにとっては謝ったら敗北、つまりこのただ泣き喚く女に負けるということだ。



チッと舌打ちをすると、再び彼女をベッドに縫い付けた。


「スクアーロ」
「お前は暇つぶしで俺に抱かれんのか?」


「んなことしねぇ!」


眉根を寄せてスクアーロがザンザスを睨んだ。



「俺もだ」





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