小説 | ナノ




13



「う゛…やだぁ……」


首をブンブンと振って、スクアーロが拒絶した。

「どうして?」


「…っ」
(どうして?)


「ダメな理由が答えられないなら、かまわないよね?」



(理由って言われても…)


跳ね馬は嫌いじゃない。だけど好きかどうかはわからない、普通だ。じゃあ、ザンザスは…?
大体、感情面で好きかどうかよりも本能で憧れて押しかけたのにいつの間にか体の関係を持ってしまいややこしいのだ。

しかしはっきりと、ザンザスに対しての感情は跳ね馬とは違って胸がキュッと痛むようなジクジク疼くような、そんな感じがする。


自分に覆い被さったザンザスを見つめると、彼がこちらに気付き目が合う。


「んっ…」


そのまま近付いてきた端正に整った顔にスクアーロの心臓がドクンと跳ねた。合わさった唇は熱く、しっとりとして心地いい。

(ずっとこうしていたい感じ…気持ちイイ…)






「…っ……あ…。俺……ザンザスが好きだぁ…」


長く合わさったままだった唇を名残惜しそうに離すと透明な糸がツゥッと2人を繋いだ。



「跳ね馬、…俺きっとザンザスが好きだから他のヤツはやなんだぁ」


スクアーロは頬をピンクに染めあげて、ディーノの方を向くと、先程の質問の答えを告げた。

「ふふっ…やっぱそっか」


「んなこと知ってる」


意外にもディーノは平然とした様子でにこりと笑い、ザンザスは少し嬉しそうに口端を吊り上げた。








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