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22



恐る恐る廊下に顔を出したルッスは、スクアーロの部屋へと歩き出したザンザスの後ろ姿に声をかけた。


「…ボースぅー?何があっても、暴力はダメよ〜?」


ザンザスはルッスをチラリと見返し、フンッと笑うとスクアーロの部屋の襖を開けた。

「はぁ…大丈夫かしら」

「ししっ。余計なお世話じゃん?」

「あれでなかなかボスも落ち着いてはきてるよ。心配なんてしてもお金になりゃしないよ、無駄無駄」





「おい、カス」

「う゛ぉっ、ノック…声かけてから開けろぉ…」

「うるせぇ。てめえも同じだろうが」


突然開け放たれた襖に驚いて振り向くと、来訪者はザンザスだった。
ペタリと座り込んでいたスクアーロは立ち上がり、ザンザスに近寄った。

「なんか用かぁ?」


「ああ」

「なんだぁ?」


じっと紅い瞳がスクアーロを見た。スクアーロがキョトンとしている。


これだ、この違和感はなんだ。コイツはこんなに大人しかったか?誰が相手でも虚勢を張って挑発的にニヤリと笑うアイツはどうした。
何がお前をそうした?



「!?」


ザンザスはつい感情が高ぶってしまい、全身には傷が浮かび上がっていた。


「どうしたぁっ!?大丈夫かぁ?」


慌ててスクアーロがザンザスの左頬に向けて右手を伸ばしてきたので、その手を取った。


ガキか、俺は。
苛ついて感情をコントロール出来なくなるなんてなさけねぇ。

スクアーロの手のひらにそっとキスをしてまた顔を見た。
頬がほんのり色付いている。


「お前は何を隠している?」




そう聞いたとたんスクアーロの顔色が悪くなった気がした。


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