彼女の恋愛諸事情

バイトが二日目になりちょっと慣れてきた。
文化祭でやった模擬店のおかげで割とスムーズにこなせている。

昨日今日とやっていて驚いたのが、女の子の多さ!
しかも総じてレベルが高い。

トウヤに声を掛けていく積極的な子もいてびっくりした。


「トウヤ人気すごいね…」

「っつーより、この時期はやっぱ増えんだよな。

 いらっしゃいませー、って、Nじゃん」


えぬ?


トウヤの知り合いのようなその人は多めな緑色の髪を後ろで束ねている。
ふわっふわだなぁ。

「彼女は新しいバイトの子?」

「あ、はい、臨時でバイトしています」

えぬさんは綺麗な笑顔でトウヤをよろしくと言って、マドレーヌを50個買っていった。

ご、ごじゅう…

その多さに驚いたが、よくいるそうだ。

ってか、えぬってあだ名なのかな?


「Nのやつで最後か。
 なんか最後にどっと疲れたな…」

トウヤはそう言って伸びをした。

「あはは、
 バイトって、大変だけど結構楽しいね」

「まーな、
 苗字、いい感じだよな、覚えんのも早かったし」

わ、トウヤに誉められた!
あー、にやにやしてそうだな、あたし

「文化祭で模擬店やったからと思う」

「そっか、あそこの高校の文化祭派手だよな」


うちは、ガチで芸術家レベルの人がいるからもう文化祭が文化祭の域を超えている。
ノリのいい人が多いし。


「そこの高校ってことは、家この辺?」

「うん、結構近いよ」

歩きで来てるし。
ちなみにチェレンより近い。

「じゃあさ、その、今日オレ送ってく」

「え、いいよ」

と断ってから即後悔した。
折角トウヤが送ってくれるっていってくれたのに!

「暗いし、お前女の子だろ」


………っ、わぁぁぁ!顔が!あつい!

女の子扱いしてくれたことにどうしようもなくドキドキする。
うん、わかってたけど、あたしトウヤに恋してる。


彼女の恋愛諸事情

(さりげなく車道を歩いてくれるトウヤにときめいた!)



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