もし世界の破滅が自分で決めるコトができるのならば
硝子に明かりが漏れぬように和紙を貼る。
昼間だけの平穏
いや、昼間でも空を見るのが怖い
鳥が飛びそれを鉄の塊と錯覚する底知れぬ恐怖
今ひとり国民が死ぬ
泣きながら家族思い、帰りの燃料を持たず鉄ではないただの木屑で鬼に挑む
鬼…?
「…鬼とは、誰か?
いやしない
鬼などいない」
ごほっと咳込んだ
掌に広がる赤い液体
人間と似通うこの液体を流し続ければ、いつ人間と同じように痛みと一緒に光を失うことができるのだろうか
自分にはそれができないのだけど
「もうお前が『日本』でいる必要あるのか?」
いつの間にか襖が開き、黒い軍服を身に纏う自分と似た人間(いや、人間の姿をした何か)が私の前で正座をして問いてきた。私は布団で寝転んでいた身体を起こし、彼を見つめ あなたが、『日本』なのか? と聞いた。
「質問を質問で返すとは…。私は『日本』ではない、『大日本帝国』だ。『軍事国家』であって『日本』ではない」
「私は…『日本』です。」
「そうあなたは『日本』だ、今は。『日本』ならば、何故動かない。動いてくれない」
「動くには体力がもう殆ど…」
大日本帝国が布団の横にある一口もつけていない白いご飯を見つめた。 食わずして体力をどうつけるというのだ と私を睨みながら問い詰める。
「国民が食べることが出来ぬものをどう食べろというのですか」
「粗末にすればそれこそ国民に申し訳ないと思わぬか」
「…そもそも私はこの戦いを許可した覚えがないのにどうして私が前に出ねばならないのです!」
どこかでまたサイレンが鳴る。
また国民が死ぬ。
私の国民が死んでいく
誰のせいで
いったい
だれが
「『大日本帝国』が推し進めたからだとお前は言いたいのか」
「…っ」
「中立を保つにはお前は弱い立場であったくせに」
「あなたなんて生まれて来なければよかった」
そう口にすると大日本帝国は眉間にシワを寄せ泣き出しそうな顔をした。私はそんな彼を見ることなどせず視線は布団をにぎりしめている自分の骨張った手の甲だ。
「…私はじきに…いや…もう…」
と考えてどうイギリスを出すか悩んでやめた。白菊黒菊……
こんな感じのを冬インテで新刊出したいんだ…三つ巴…英日←日帝
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