「よろしいですか!?水のゼンリョクポーズは、こうしてこうするのでございます!」
可愛らしいゼンリョクポーズを教えてもらって、さらにスイレンさんが作ったっていうつりざおももらった。
「スイレンさんが作ったつりざお……」
すごいな、感心してたらうふふ、って笑われちゃったけど。つりざおの使い方も教えてもらって、ダイブボールももらって。
「ちなみにわたし、赤いギャラドスを釣ったこともあるんですね」
「……え?本当ですか?」
「さーて、どうでしょう」
控えめに笑うスイレンさん、茶目っ気があってすごく、可愛い人だった。アローラの人たちってみんな、個性があって、でも押しつけがましくなくて、素敵な出会いに感謝しなきゃいけないな。
「次はカキの試練……ヴェラ火山公園、ですね」
「はい……!」
火山公園、ってことは、炎タイプのポケモンかな。そう思ってたらいきなりそうでした!って、スイレンさんが声を上げた。
「オハナ牧場のウソッキーはご覧になりました?」
「……あ、はい、タマゴを孵していた時に……」
「あのコたち、悪さをしていたから、ミズZを使って、Zパワーでちょっぴり懲らしめてあげたのです」
「は、はぁ……」
「あなたのミズZにどんな反応をするのか、気になりますね」
そう悪戯に言いながらスイレンさんはせせらぎの丘に去っていった。気になったけど、夜も遅いし…。オハナタウンのポケモンセンターに予約を入れて、こっちに来てから初めてママに電話をかけた。
『かなこが、ポケモンをもらって旅立つのを楽しみにしてたから、せっかくならママの気に入ったアローラのポケモンたちと旅してほしいと思ったのよ!』
「……ありがとう!ママ!」
ママはちゃんと、あたしの夢を覚えててくれたんだ……!それからちょっとだけ、お金の管理のこととか、ご飯のこととか、新しく仲間になったポケモンを紹介したりして、満足しながら眠りについた。