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「も、もちろん覚えてるよ!」
「おお!おれたちソックリなのに、すごいな!」

えっ?そこ、驚くところなの?いつものように勝負を仕掛けてきたからあっさり勝ったけど、ポケモンの体力が心配……。それに、あたしに負けた腹いせなのか、ふたりして巣穴を塞いじゃって…でも、数が減ったから、結果オーライでサクッと3匹倒すことができた。試練サポーターの人に奥に進むよう促されて、一際明るい光が降り注ぐ場所に出ると、最奥に台座と、キラキラ輝くZクリスタルが……。

(これを取れば試練も終わる……)

台座に手を伸ばした瞬間、黒い影が辺り一面を覆ったの。……そうだイリマさん、一際大きなぬしポケモンがいるって言ってたよね……!?その圧倒的な大きさから放たれるオーラはものすごい。でも……、ここまで来て逃げたくない……っ!!

「モクロー、頼んだよ!」

ぬしポケモンはヤングースの進化系、デカグース。威力の高い技ばかり放ってきてなかなか、簡単には勝たせてくれそうにない。

「ヤングース……!?」

デカグースの遠吠えにつられてヤングースもカオを出した。ぎゅっと拳を握り直して、時には薬を使いながら、必死でぬしポケモンと戦った。

「……はぁっ、はぁ……っ」

や……、やっとの想いで勝てた……!あたしの、人生の、アローラでの初めての試練は、こうして幕を閉じたの……。

「何というトレーナーでしょう!」
「……イリマさん!」

あたしがぬしポケモンを倒すとすぐに、イリマさんがすてきな笑みを浮かべながら駆けつけてくれた。

「ボクが鍛えに鍛えあげたぬしポケモンを倒すだなんて……!さすがとしか言いようがありません」
「いえ……かなり手強かったです、正直」

そう伝えたら、嬉しそうにイリマの試練達成!って言ってくれた。


bkm
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