ヒロイン:BW2主人公
「うわー!素敵なところですねー!」
オレの隣で妙にテンションが上がっている女__かなこ。こいつはオレが、アンダーグラウンドボスとか呼ばれているおっさんが作ったと言う、でっかい施設にお呼ばれした時に知り合った。まあ…強者揃いだし?オレさまみたいな強いヤツが呼ばれない訳もなくて、はりきってはるばるイッシュ地方まで飛んでいったんだけど。
「オレが、こんなヤツに負けちまうなんてっ!!」
チャンピオンに負けるならまだしも…、何でこんなトレーナーに負けなきゃならないんだ!?そう思った(というかイッシュのチャンピオンを倒してたって後で気づいた)。そしてなぜか意気投合してかなこは、オレの地元に遊びに来たいと言い出した。
「ねえ!せっかくだから勝負したいです!」
「…はあ!?」
いやおまえ…、仮にも女だろ!?勝負とか言う前に、カントーはいいところなんだから、観光でもして来いっつーの。
「そうですね…確かに。じゃあ、私が帰る日!勝負してください!」
…根っからの勝負好きか、まあ…悪くはないよな。仕方なくかなこをオレの家に泊めてやり、軽くカントーの案内をして、数日好きにさせていたけど。
「一緒に…、行きたいです。グリーン…さんと」
「…っ!?」
こいつの言う事には毎度驚かされっぱなしだぜ…ったく。何でオレが好きこのんであんな、デートスポットに行かなきゃなんねえんだよ…!…ん?誰か今、そう言う女の一人もいねえのか…とか思っただろ!?
「…わかったよ、行けばいいんだろ?一人で行くんじゃ、雰囲気出ねえもんな?」
そう言うと満足げに微笑むんだ…何でだろうな、こいつといると、ペース崩されちまうな…。
「わあ…人が多い…」
ちっ、今日は生憎の休日だった…どうりで人が多い訳だ。はぐれないようにそっと腕を掴むと、こうがいい…って、手を繋いでくる。
「…っ、おまえ、大胆なヤツだな…」
「…。違うんです、その…」
元々強い女だとは思う、けど…演劇やってるくせに大きな声は出せない。何だか、放っておけない気がした。
「こっち。こうしてれば、見えるだろ」
高台から夏の風物詩だっていう花火を見て。目を輝かせてるかなこに、そっと顔を寄せた。