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(…………)

四天王の間からワープして、頂に向かって伸びる階段を一歩一歩、踏みしめるように上がっていく。毎回同じことの繰り返しなのに、誰が防衛しに来るのかわからないから、いつもドキドキとわくわくに満ちていて。

「今日は、誰が来るかな」

パートナーたちのボールを一撫でして、その時を待つ。ここには案内してくれる係の人はいない、だから孤独。でも……、心地のいい場所。

「グラ……ジオ…………?」

あたしの目の前には、ここ(アローラ)にいるはずのない人がいて。彼が修行に行くと旅立ってから半年弱……、今までとは違う、半端ないオーラをまとって戻ってきた。

「ポケモントレーナーに何が必要か?それを求め修行をしたが、答えは人それぞれだろう。ただ、少なくともオレは、最強の相手を望む……!」
「……わかった。アローラチャンピオンかなこ!ゼンリョクでお相手させて頂きます!」

勝負のために用意されたフィールドの両端に立って、向かい合う。彼のカッコつけてるとも取れるフォームから繰り出されるボールからは、クロバットがカオを出した。

「クロバット、クロスポイズン!」
「グソクムシャ、であいがしら!」

今では欠かすことのできなくなったグソクムシャがボールから出てくると一瞬、グラジオは不機嫌な目線を向けた。前にラナキラマウンテンの入口で戦った時よりも確実に彼のポケモンたちは強くなってて……、簡単には攻略できそうになかった。

「ジュナイパー、かげぬい!」
「フシギバナ、ヘドロばくだんだ!」

最後の最後まで、どうなるかわからないくらいに楽しい勝負は続く。もちろん、旅している時からずっと一緒にいるポケモンもいるからあたしの方が育ってると思う、でも……。


bkm
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