仁跡+幸+忍
ーーーー俺は仁王が好きだ
確かに告白は向こうからで、俺は奴お得意のペテンにかかったのではないのか、とそんなことを思った時もあった。
だが、どんなに拒絶しようとも傍にいるアイツを、俺はいつの間にか求めるようになってしまっていた。
人が人を求める…、これを恋と呼ばずになんと呼ぶのか。
「ただの欲求不満やろ。仁王はやめとき、絶対火傷じゃすまんで」
黙れ忍足、恋愛小説でも見てろ。
「俺はいいと思うよ。何かあったら協力するよ」
テメェならそう言うと思ってたぜ、幸村。
しかし付き合って数週間、俺は本当にアイツが俺のことが好きなのか分からなくなってきた。
「随分早いね、どうかしたのかい?」
アイツは………………………俺にまったく手を出してこないんだ!!
俺様のこの美貌に酔わねぇなんて、何か理由があるに違いない
「……」
「遊ばれとったんやって…」
もし仮にそうだとしても!
俺様が奴に惚れたという事実は変わらねぇ!!
「……まぁ、…そうだね。で?このまま諦めるわけないよね?」
当たり前だ。俺様が奴のペテンにかかったように、
今度は……
「あいつをーーーー俺様に酔わせてやる番だ…」
きみ攻略マニュアル
「と、言うことで『仁王を俺様の美貌に酔わせてやるぜ計画』を始める」
「…なぁ、何で俺までこないなもんに参加せなあかんの?」
「お前、恋愛小説や官能小説を普段から読み漁ってるらしいじゃねぇか」
「官能小説はちゃうわ」
「相手を落とすことに関して詳しいだろ?」
「いや、でもな「幸村に来てもらったのは」…無視か」
「部長として部員のことはそれなりに把握しているだろうし、少なくとも俺よりは仁王のことを知っているだろ?」
「んー…あまり自信はないけど、可愛い跡部と部員の為だしね。協力するよ」
「ありがとよ」
「えっ、可愛い発言にはスルーなん!?」
「で、具体的には何をするんだい?」
「忍足、何か良い案を出せ」
「はぁ!?」
「早くしろ」「早くしてね」
「(…逆らえる気せぇへん。)あー、仁王の好きなもんをあげるとか…」
「ふん、物で釣るってわけね。幸村、仁王の好きな物ってなんだ?」
「んー、あまり聞いたことがないなぁ……。暑いのが苦手とは言っていたけど…」
「ほう…暑いのが苦手ってことは寒いのが好きってことだな」
「えらい極端やな」
「そういうことなら……俺様の氷の世界、味あわせてやる」
「恋人相手に技くらわすってどんな奴やねん。そんな恋人嫌やわ」
「文句の多い奴だな。……じゃあ仁王には後でかき氷でも贈っておくか。他に何か良い案はあるか、忍足」
「また俺かい。んー…好きな子のタイプとかは……」
「あまり聞いたことがないな…、真田が苦手だとは言っていたけど」
「なんで自分は嫌いなもんしか知らんの!?」
「真田ねぇ……。まぁアイツに似ることはねぇからその点は問題ないな」
「(いろいろと共通点はある気するけどな…)」
「で、次」
「またかい!」
「当たり前だ。まだ一回も仁王の好きなもんがねぇだろうが」
「せやけど…、もういっそのこと色仕掛けでええやん。仁王も好きそうやし」
「あぁ、それは確かに」
「……例えばなにするんだよ」
「(ホンマにやる気なんか)…例えば……、メイド服着るとか」
「それはテメェの趣味だろうが」
「ちゃう!男のロマンや!!」
「あとナースとかも好きそうだよね」
「幸村!?テメェまで何言って…」
「やだなぁ、俺はただ仁王が好きそうな格好を言ったまでだよ」
「せやで。これはあくまで仁王の好みを真剣に考えとるだけなんや」
「跡部の為にね」
「俺の為…」
「仁王は焦らすタイプだと思うし、長期戦を覚悟しておいた方がいいよ。まずはスタンダードにメイドからいってみる?」
※※※※※
続かない。
幸村のキャラ崩壊が始まり行き詰まりました。
※※※※※
その後
「……最近、跡部が積極的なんじゃが、このまま焦らすのと美味しくいただくのはどっちがええんかのぉ…」
「…仁王が限界まで焦らした後に食べる確率、90%」
※※※※※
焦らす途中で我慢が出来なくなる確率、10%
跡部が柳さんのデータを凌駕するほどの積極性を見せたらその√になります。
配布元:
確かに恋だった
※※※※※
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