あの日から私の世界は一色
謙「愛の色?」
部活が終わり、着替えも済ました所で白石と忍足の会話が耳に入ってきた。忍足と白石はまだ着替えの途中で話ながらゆっくりと着替えている。
白「せや、美術で愛を形にした時にどんなんになるか考えてこいって課題出されたやん。」
謙「あー…、確かに言われとったような気ぃするわ。なんや、お前がいきなり『愛って…何なんやろ』とか言い出すからついに頭がいってもうたんかと思ったわ」
良かった良かった、と忍足が少し安心したように言うが白石はそれを無視し話を進める。
白「形は全員共通でハートやけど色を塗れって言われとるやろ?俺は絶対無色やと思って何も塗らずに提出したら怒られてもうてな」
謙「当たり前やろ」
やから参考までに…と言った所で忍足があっ、と声を上げる
忍「ユウジ美術得意やん、ユウジは何色にするん?」
それまで会話に参加せず、金色の生徒会の仕事が終わるのを座って待っていた一氏がゆっくりと顔を上げる。金色不在のせいかテンションは低い。
話しは耳に届いていたようで、少し考え始めた後ピンクやろと呟いた。
謙「うわっ、普通っ」
財「ホンマに美術が得意教科なんか疑うような答えッスわ」
謙也がやや大袈裟にリアクションをとり、さっきまで本を読んでいた財前が目は本に向けたまま溜め息を吐く。白石は少し意外そうな顔をして一氏を見た。
ユ「なんやねん、失礼な奴やなあ。一応言うとくけどな、これにはちゃんとした理由があんねん!」
謙「ほぉ…何やねん」
財「金色先輩にピンクが似合うからとか、そういうさぶい理由は止めて下さい」
ユ「えっ!?」
「「…………」」
一氏らしいと言ったらそうなのだがあまりにも予想通りすぎて苦笑いしか出来なかった四天一同だった。
白「あー…謙也はどうするん?」
今度は忍足に聞いてみると忍足はあー、とかうー、と唸っていて少し言いにくそうだ。
白「?どないしたん?」
謙「いや…」
ユ「別に謙也が変な色言うても笑わんからはよ言えや」
忍「んー、別に変な色ってわけやなくてなぁ…えっと、さっきユウジがピンクって言って普通とか言っとったけどな、俺もピンクかなぁって…」
財「頭ん中が年中ピンク色ですからね」
謙「ちゃうわ!!」
ユ「ほなら何でなん」
そのとき、忍足は思った。あれ、これって告白のチャンスじゃね?と。
謙「(ぶっちゃけピンクってユウジがそう言って同じ色がええなと思ったからやし。それをサラッと言ったらドキッてな感じの展開になるんやない!?いけるやろ!)」
財「………」
蔵「………」
ユ「謙也?鼻の下伸びとるで」
謙「あんなユウジ、それは…」
ガチャ
金「ユウくーん!ただいまーv」
ユ「小春ぅー!!待っとったでー」
金「ごめんな、意外に長引いてもうたんや…。もう帰ろか」
首を勢いよく上下に動かした後元気よく帰って行った一氏と金色。部室には「確信犯か!!」と言う叫び声が残っただけだった。
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間違いなく確信犯です。
配布元:
Chien11
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