第四章「輝夜の帰る場所」


・教室

委員長、教卓をバンっと叩く

委員長「とーっ言うことでっ!」

笑う委員長

委員長「五組の『竹取物語』は生徒会賞をみっごとに勝ち取りましたーッ!!」

拍手が起こる

委員長「それもこれも俺の監督能力とすんばらしい脚本のお陰だと!!」
達弘 「はぁ……」

達弘、机に肘を付いて呆れる

委員長「そしてそして!賞品はこの!食堂何でもかんでもタダ券一人につき一週間分だッ!!」

委員長、タダ券を掲げる

那智 「ヤッター!!」

那智、両手を挙げて喜ぶ

委員長「おぉっと、これはこれは大木くん」
那智 「なになに?」
委員長「君の迫真の演技にはすごーっく、感謝している。しかしだ!」
那智 「へッ?」
委員長「貴様にこれを貰う資格などない!!」
那智 「なんでーッ!?」
委員長「終了後、さっさと行方をくらましたのはどこのどいつかな?後片付けという名目を知らなかったとは言わせないぞ?」
那智 「え!?あ、あれは!俺のせいじゃなくて!かぐ──」
委員長「言い訳無用!なんと言おうが貴様に貰う権利などないわ!」
那智 「そんなぁぁあぁぁぁッ!!」

頭を抱えて叫ぶ那智

那智M「そんなこんなで文化祭は無事終了し、俺達はまたいつも通りの生活へと戻っていく」



・学校

門のところに輝夜が立っている
那智と達弘、歩いてくる

輝夜 「那智っ!待ちわびていたぞ」

輝夜、那智を抱きしめようとするがかわす那智

輝夜 「むっ」
那智 「迎えに来なくていいって言ってんのに…」
輝夜 「私がいないとこの眼鏡がいつ那智に手を出すかわからんからな」
達弘 「なっ!」
那智 「もう、いい加減にしろよなぁ。達弘は俺の大事な友達なんだぞ…?」
輝夜 「そなたは眼鏡には大事だと言うのに、私には素直になってくれないのだな」

輝夜、着物の袖で涙を拭う素振りをする

那智 「はぁ?もういいよ。行こうぜ達弘」

那智、スタスタ歩いていく

輝夜 「那智っ、どうして私を無視するのだ!」
那智 「そんなこと言ってたら連れて行かないぞ」
輝夜 「ん?どこかに行くのか?」
那智 「達弘んちで遊ぶのー」
輝夜 「な!またこいつの家でか!」

輝夜、達弘を睨みつける

達弘 「お前そろそろ俺に敵対心抱くのやめろよ…。もう諦めてるから……」

達弘、肩を落として歩いていく

那智 「?」
輝夜 「まだまだ油断ならん!」

那智M「思い起こせばこの文化祭をきっかけにして輝夜と俺は出会ったんだ。あの光る竹を見つけて、猫みたいな輝夜を家に連れて帰って、それからいろんなことがあった」



・達弘宅

ゲームをしている那智と達弘
それを面白くなさげに後ろから拗ねて見ている輝夜

那智M「最初は我侭で突拍子もないことを言うこいつが嫌いで、とんでもないものを拾ってしまったと思ってたけど」

那智、拗ねている輝夜を見てコントローラーを差し出す
しぶしぶ手を出す輝夜

那智M「一緒に過ごしていくうちに、輝夜といると笑っていることに気がついた」

初めてのゲームに四苦八苦している輝夜
それを見て大笑いする那智
拗ねる輝夜
達弘、那智を止めようとする

那智M「今はもう輝夜がいないと駄目なんだ」

コントローラーをほっぽり出す輝夜
那智、笑い泣きしながらも謝る

那智M「輝夜がいるから俺は笑える」



・自室

ベッドで眠っている二人
那智、目を開けると窓から見える月を見る

那智M「だから輝夜は月へは帰さない──」



・達弘宅前

達弘、学校から帰ってくる
家の前に輝夜がいるのを見つける

達弘 「輝夜?」

達弘、驚いて輝夜に駆け寄る
輝夜、達弘に気がつく

達弘 「なんだよ、那智とはもう別れたぞ?」
輝夜 「今日はそなたに話があって来たのだ」

輝夜、真剣な顔をしている

達弘 「俺に…?あー、着物の話か?」
輝夜 「そうだな、それは感謝している」

輝夜、微笑む

達弘 「か、感謝って……」

驚く達弘

輝夜 「なんだ。私が礼を言ってやっているのだぞ?」
達弘 「そうだけど……。えっと、中入るか?」

達弘、家を指差す

輝夜 「いや、ここでいい」
達弘 「そう…」
輝夜 「那智はそなたを友達だと言っていた。そなたもそうであろう」
達弘 「あ、あぁ。友達だよ」
輝夜 「そうか」

輝夜、微笑む

輝夜 「それならいい。私はそなたが嫌いだ」
達弘 「お、お前……面と向かって…」
輝夜 「しかし那智を支えてやれるのはそなただと思っているのだ」
達弘 「輝夜…?」
輝夜 「そういえば、私があの竹の中から現れたとき、そなたも一緒にいたな」
達弘 「あぁ…」
輝夜 「那智が格好の悪い名前を私につけようとしたときに、止めたのもそなたであったな」

輝夜、笑う

達弘 「ははっ、竹太郎なんかにならなくてよかっただろ?」

達弘、笑う

輝夜 「そうだな。なぁ、達弘」

輝夜、微笑む

輝夜 「そなたは那智の傍を離れるでないぞ」
達弘 「どういう…」
輝夜 「それが言いたかっただけだ」

輝夜、去ろうとする

達弘 「輝夜!?」

輝夜、少し行って振り返る

輝夜 「もう一つ、言っておかなければならないことがあった」
達弘 「?」
輝夜 「くれぐれも、余計なことはするでない。ではな」

輝夜、微笑むと去っていく

達弘 「輝夜……?」

達弘、去っていく輝夜の後姿を見送る

達弘 「って!あいつ俺の名前呼んだ!?」



・玄関

帰ってくる輝夜
那智、リビングから出てくる

那智 「あー!いた!どこ行ってたんだよーったくー。探してたんだぞ?」
輝夜 「散歩に出ていた」
那智 「勝手に出歩くなよなー、もう」

拗ねる那智
それを見て抱きしめる輝夜

輝夜 「そなた、自分は私を置いてどこへでも行ってしまうというのに、たまに私がいないとなるとその言い草か」
那智 「なっ!そういう意味で言ってんじゃねぇーだろ!?」
輝夜 「ふふっ。お仕置きでもして欲しいのか?」

輝夜、耳元で笑う

那智 「ぎゃー!もう!離れろ!ばか!」
輝夜 「はははっ、分かった分かった」

那智を放す

輝夜 「そうだ、眼鏡が今夜そなたを家に招きたいと言っていた」
那智 「え?達弘が?会ったのか?」
輝夜 「あぁ、先ほどな。行ってくるといい」
那智 「そっか。分かった」

那智、ただ口をついて出たように言う
それを見て悲しげに微笑む輝夜



・玄関

那智 「じゃ、行ってくるから!」

那智、笑って玄関を出ようとする
輝夜、手を振っていたが背を向けた那智の腕を取って
抱きしめる

那智 「輝夜っ?」
輝夜 「なんでもない。急にこうしたくなった。少しだけ、我慢してくれ」
那智 「……」

すっと腕を解くと、微笑んで那智を見る

輝夜 「気をつけて行くんだぞ」
那智 「あぁ。じゃあな」

今度こそ出て行く那智を見送る輝夜
ドアを閉めずに那智の姿が見えなくなるまでずっと見ている

輝夜 「笑って手を振られると、やはり寂しいな……」

輝夜、空を見上げる
空には満月が輝いている



・達弘宅

ゲームをして遊んでいる那智と達弘

那智 「っつーか、委員長の奴ほんとにタダ券くれないんだもんなー」
達弘 「だから俺の半分やるって」
那智 「それはありがたいんだけどさー、輝夜が可哀想だろー?あいつが一番台詞多くて一番頑張ってたのに」
達弘 「そうだよなー。俺らでなんかしてやるかー」
那智 「ん…?」

那智、画面を見たまま疑問を抱く

那智 「なぁ、達弘」
達弘 「んー?って、おい!死んだぞ!」

那智、コントローラーを持っているだけ

那智 「俺なんでここにいるんだっけ…?」
達弘 「はぁ?なんでって……」

達弘、那智を見る

達弘 「あれ…?どうしてだっけ?」

顔を見合わせる二人

那智 「輝夜のこと、どうして置いてきたんだ…?」

那智、不安そうな顔をする

達弘 「お前、誰に言われてここに来た?」

達弘も不安になりだす

那智 「誰にって…俺は輝夜に……」
達弘 「あ、そうだ…あいつ俺のこと、名前で呼んだんだ」
那智 「え…?」
達弘 「なんか様子がおかしくて、でもなんか笑ってて、あいつ俺に那智の傍から離れるなって…」
那智 「なんだよそれ……」
達弘 「!」

達弘、カレンダーを見る

那智 「達弘?」
達弘 「お前すぐ帰れ!」
那智 「え…?」
達弘 「なんかよくわかんねぇけど今日は十五日だ!十五夜だよ!もしかしたらあいつ…!」
那智 「!」

那智、立ち上がると部屋を飛び出す



・街

那智、走っている
空には満月が輝いている

那智M「うそだ。なんで、何で俺、あいつ置いて出てきちゃったんだよ。あいつから絶対に離れないって決めてたのに。どうして──」



・自室

輝夜、窓辺に座ってただ月を見ている
深緑の着物を着ている

輝夜 「……」

ふぅっと息を吐く

那智 「輝夜……」

那智が家の前につく
部屋の窓辺に座っている輝夜に気がつくと眉間に皺を寄せて輝夜を見る
それに気がつく輝夜

輝夜 「那智っ……どうしてそなた…」

那智、家に入っていく



・自室

那智が入ってくる

那智 「お前!俺に何したんだ!」

那智、怒っている
その顔を見て、悲しげに微笑む輝夜

輝夜 「まじないが切れてしまったのか」
那智 「まじないってなんだよ!!」

那智、涙を目に溜めて輝夜を見る

那智 「俺がいない間に何する気だったんだ!どこ行こうとしてたんだよ!!」

那智、涙が零れる

輝夜 「すまない」

輝夜、悲しい顔をする
輝夜に駆け寄る那智
抱きしめる

那智 「どこにも行かないって言ってくれよ…。ずっと傍にいるって言ってくれ」
輝夜 「那智……」

那智を優しく抱きしめると髪を撫でる

那智 「なぁ、月になんか帰らないよな?お前とかぐや姫は別なんだろ?」
輝夜 「あぁ。私はかぐや姫ではない」
那智 「じゃあずっとここにいるんだよな?」

那智、輝夜の顔を見る
目を逸らす輝夜

那智 「なんだよ!なんで……目、逸らすんだ……」

那智、ベッドに座り込んで泣く

輝夜 「私はどうやら月の人らしい」

輝夜、月を見上げる

那智 「嘘つき。お前はかぐや姫じゃないんだろ?そんな嘘つくなよ…」
輝夜 「嘘ではない。私は前世の約束などでここに来たわけではないのだ」
那智 「え……?」

輝夜を見る那智

輝夜 「私は月の皇子でな。しかし私はそのことに耐え切れずに月を飛び出したのだ。月と繋がるのはあの竹の中で、ここにたどり着くまでに記憶をばら撒いてしまった。無理な旅をした故、あのような小さな体となった。そしてそなたと出会ったのだ」
那智 「嘘だ…」
輝夜 「しかしどうやらもうここにはいられないらしい。少し前から声が聞こえるようになってな。思い出せとしつこく私の名を呼ぶのだ。ここにいてはならんと」
那智 「嫌だ…」

泣いている那智

輝夜 「あぁ、私も嫌だ。こんなにもそなたを愛しているのに、何故別れなければいけないのかと。一度は月を捨てた身。もう戻ることなど考えもせず、聞こえる声にも耳を傾けずにいたのだ。しかし記憶の欠片はどうしてか私に戻ってくる。だんだんと、あの国にいた時のことを思い出す。決められた道を歩むしか許されず、ただ退屈な日々を送っていたあの頃を。いい思い出などない」
那智 「だったら…いつもみたいに我侭言ってどうにかしろよ……。帰りたくなんかないって駄々こねろよ……」
輝夜 「思い出したのはそれだけではないのだ」

輝夜、悲しげに言う

輝夜 「月のまじないは強力で、私には抵抗することさえ出来なかった」
那智 「そんなの……まるでかぐや姫と同じじゃないか!」
輝夜 「…そうだな…。私も毎夜何とかしようと試みていたのだ。しかしとうとう月からの使者がやって参った」



・自室(回想)

輝夜、一人窓辺に座っている

使者 「輝夜様」

使者が突然現れる
が、透けている

輝夜 「っ!なんだ貴様…」

輝夜、使者に驚くが睨み付ける

使者 「すべてを思い出されたご様子でしたが……私のことは思い出してらっしゃらないのでしょうか…?」

悲しげにする使者

輝夜 「……。貴様、有明(ありあけ)か……。はぁ、どうでもいい奴の名を思い出してしまった」

輝夜、嫌な顔をする

有明 「輝夜様!そんな酷いです……」

泣きそうになる有明

輝夜 「なんだ、文句でも言いに来たか。私が居なくなったことでそなたは仕事を無くしただろうからな」
有明 「いいえ、私の仕事はまだございます。輝夜様はこちらに帰ってもらわねばなりませんので」
輝夜 「何度言えば分かる。私は月を捨てた身。今更のこのこと帰ることも出来ぬ。父上も母上も私をいい加減見放せばいいというものを」
有明 「皇帝陛下はそれはもうお怒りです。即座に連れ戻せと言われておりましたものを、あなたのかけたまじないによってこの様に時間がかかってしまいました。しかし、そのまじないのお陰であなたを見放しはしないと仰られたのですよ」
輝夜 「くっ……。しかしあのまじないはそなたも手を貸したのだぞ。私だけの力ではない」
有明 「あっ、あれは輝夜様に騙されて……」

焦る有明

輝夜 「分かっている。しかしそなたの力は強力だ。父上の跡はそなたが継げばよかろう。私はもう帰らないからな」
有明 「輝夜様…あなたも分かっているはずです。運命には抗えないと。皇帝陛下は最悪の場合、あなたの傍にいる少年にも手を出しかねないと仰っているのです」

輝夜、目を見張る

輝夜 「何を馬鹿なっ!!那智は関係ないであろう!」

輝夜、怒鳴る

有明 「えぇ。ですから私はこうしてこの場所へ現れたのでございます」
輝夜 「本気なのか……」
有明 「はい」
輝夜 「っ……卑怯者めが…」

有明の姿が靄がかる

有明 「次の十五夜の晩です。それまでにお別れのご準備を…」
輝夜 「……」

有明、消える
輝夜、空に輝く月を見て額に手を当てる

輝夜 「忌々しい月め……」



・自室

輝夜 「なぁ、那智」

輝夜、那智を見る

輝夜 「私はかぐや姫ではない。ただ月から逃げた、無力な男だ」
那智 「……っぅ…」
輝夜 「そなたの言っていたことが、今なら分かる」
那智 「……っず…ふっ……ぅぅ…」
輝夜 「どうせ抗えない別れなら、そなたの笑った顔を見ていたかった」

輝夜、那智の頬に手を伸ばす

輝夜 「そなたの泣いている顔を見るのはとても悲しい…」

那智、輝夜の手を取る

那智 「わかんねぇよ……あんなのただの昔話の中でのことで、かぐや姫だからそうだと思っただけだ…。でもお前は違うんだろ?いつもみたいに我侭言えよ!俺と離れたくないって!鬱陶しいくらいにくっついてろよ!俺なんかどうなってもいい!俺の都合なんか一度も気にしたことなかったくせに!」
輝夜 「……那智」

輝夜、困ったような顔をする
それを見て那智、輝夜に抱きつく

那智 「輝夜。俺が守ってやるよ。俺は翁でも帝でもない。二千人の兵だって来てくれもしない。でも絶対月になんか帰さないから。だからいつまでも俺の傍にいるって、いたいって言ってくれ。諦めなんかしないでくれ」

那智、輝夜の肩口で泣いている
那智の頭を優しく撫でる輝夜

輝夜 「那智、覚えているか」
那智 「何を」
輝夜 「私はそなたに悲しい思いはさせないと言ったのだ」
那智 「うん」
輝夜 「約束は必ず守る」
那智 「……」

那智、輝夜を見る
微笑んでいる輝夜
那智、輝夜にキスをする
驚く輝夜
那智、離れるとまた抱きつく

那智 「輝夜。好きだ。愛してる」
輝夜 「那智…」

驚いている輝夜

那智 「これは最後の言葉なんかじゃない」
輝夜 「……」

輝夜、那智を抱きしめる

那智 「月から来た奴らを追っ払って、このベッドでくっついて寝よう」
輝夜 「あぁ」
那智 「もうあのテープも剥がしていい」
輝夜 「……」
那智 「学校まで見送って、それでまた学校まで迎えに来てくれてもいい」
輝夜 「うん」

輝夜、微笑む

那智 「風呂も一緒に入って、全部俺が洗ってやる」
輝夜 「あぁ」
那智 「それでまた一緒に寝るんだ」
輝夜 「そうだな」
那智 「これをずっと繰り返す。俺がお爺さんになっても変わらないんだ」
輝夜 「……」
那智 「輝夜はずっとそのままで、我侭を言ってて、それを俺はちゃんと聞いてやる」
輝夜 「那智」
那智 「だから俺は輝夜を離さない。どんな大男が来ても、俺が追っ払ってやるから……」

輝夜、那智を離し、頬に触れる

輝夜 「まじないをかけてやろう」
那智 「?」
輝夜 「那智がどんな奴にも負けず、この先ずっと笑っていられるまじないだ」
那智 「うん」
輝夜 「愛している」

輝夜、微笑むとキスをする

那智 「…んっ……輝夜…」

時計がもうじき十二時を指す

輝夜 「那智。私はそなたを忘れない」

輝夜、那智を抱きしめる
那智、輝夜の腕の中で眠っている



・自室

ベッドに那智を下ろす輝夜
布団を被せてやる

有明 「よいのですか……?お別れをしないで…」

悲しげな顔をしている有明

輝夜 「そなたがそんなことを言うのか。残酷な奴だな…」

輝夜、悲しげに笑う

有明 「…ですが…」
輝夜 「いいのだ。これで。那智は翁のように血の涙は流さない。明日からも笑って過ごせる」
有明 「……」
輝夜 「私からの、せめてもの礼だ」

輝夜、那智を見る
幸せそうに眠っている那智

輝夜 「さて、参るとするか」
有明 「はい」
輝夜 「短い間だが、楽しかった」

輝夜、笑う



・自室

朝、鳥の鳴き声が聞こえる
窓から風が入り込んでカーテンを揺らす
那智、目を覚ますと起き上がる

那智 「……」

開いたままの窓を見て、空を見上げる

那智 「……」

那智、窓を閉めるとベッドから下りて部屋を出て行く




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