満 月 が 空 を 喰 ら う 出会いは偶然/必然 満月って全部知ってるみたいな感じがして嫌、っていうか生意気っていうか。うまく言えないけどとにかく苦手 あれから3年の月日が過ぎ、色々あったけどこれで良かったんだと信じている。会長の元に付き、結果的に私もそこそこは強くなれた筈。協専の中でも認められた。けれどその間に家族からの連絡は一切なく、我が侭な私は見放されたんだと思う。 「カンナ、仕事じゃ」 『あ、はい!』 「金庫を一晩、見張って欲しいそうじゃ」 私はあの家にいて、甘やかされている気がしていた。否、放し飼いにされていたのか本当の所は良く分からないけれど。少なく共私は皆の事が嫌いじゃなかったし勿論今でも愛している。 『金庫、ですか』 才能の溢れたキルアやカルト達とは違って私は辛い拷問を受けるワケでもなかった。私だって一応は姉だし、姉らしく振る舞いたい。でもお父さんもお母さんもゼノお爺さんだって、私に強要させてくれなかった。 「狙う奴がいたら処分するだけでいい。危険性も少ないじゃろう、一人で行けるか?」 落ちこぼれの私の我が侭で、能のあるキルアやカルトの方に手が回らなくなるのは嫌だった。だから自分て何とかしようと家を飛び出し、会長に拾われた 『何人がかりでも私の役目は最大限果たしますよ』 たかが護衛、だからといって気を抜かないようにしなきゃ。甘い考えじゃ痛い目を見るだろう。小さな仕事でも大きな仕事でもお金を貰ってる以上、確実に終わらすのが私のモットーだから ×
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