白翼長編 | ナノ




初めは、血も繋がっていない女の子を、急に本当の妹として接しろなんて、面倒だと思った。偽りの愛を与えられて育ったなんて、なんて惨めなやつなんだと。



しかし、気がつけば、どんどんのめり込んでいた。



何気ない毎日の中で、日に日にカンナに惹かれていく。仕事で家にいない日以外、べったり側にいようとしている。親父も、まだ幼いキルアや他の弟達にも嫉妬している。

カンナといると自分が無意識の世界に落ちたような感覚に陥っていた。

家に帰れば、すぐ視線は彼女を探す。どこにいる、早くこい、と心で訴えている。その感覚は時間の経過と共に強くなっていった。あの柔らかい笑顔と、身体を支配したいと強く願うようになるまで、そう時間はいらなかった。



────このままじゃいけない。自分もカンナもダメになる。

だから、針を刺した。カンナの心の片隅で、言いようない恐怖を抱かせる。そうすれば、カンナが勝手に自分から離れていくようになる。

辛い、辛いけれど、これしかないと自分に言い聞かせて。



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