シャウト・トゥ・ザ・トップ


 とにかく楽しかった。幼稚で深みのない言葉だが、これしか浮かばない。とにかく楽しかった。
 USJでは、はぐれた仲間を探すためとにかくさ迷った。さ迷いすぎて自分らがドコにいるのかもわからなくなって、結局はまぁいっか、と単独行動決定(こんな事書いていいのか)。ホットチョコレートに肉まん、ポップコーンなど、見付けたものを片っ端から食う食う。多分ここで1kgは増えた。
 最初のホテルと最後のホテルは想像を絶するモノだった。どういう意味で絶するかは詳しく書かないでおく。でも、二日目のホテルは綺麗すぎて驚いたということだけ伝えておこう。
 そして沖縄。原稿用紙一枚では書ききれない。美ら海水族館でひたすらジンベイザメに話し掛けたり、アメリカンヴィレッジで食べたリゾットで舌負傷したり、消灯後に友達の部屋へウーロン茶とUNOを取りに行ったり、そのUNOで夜も明かさん勢いだったり、さぁ寝るぞ!ってトキにみんな怖くなって2つのベッドをくっつけて三人で寝たり、植物楽園でマンゴスチンとランブータンなる果物を食べたり、おきなわワールドでゴーヤー茶買わされたり、とにかくハシャぎまくった。残念なのは、この脳が様々な出来事の細部まで覚えていないことだ。これはもう病気なのではないか。とにかく『楽しかった』という事しか覚えていない。
 最終日、平和学習という名目で散々テンションを落とされた。講話の最中に体がカクカクいってたのは日本国民の無念のせいに違いない。
 帰りの飛行機ではその日の昼に食べた肉のおかげで三時間爆睡ととても有意義だった。乗務員さんがしきりに俺を心配していたらしい。こちらとしても、できれば毛布ではなくて酔い止めが欲しかった。
 そんなこんなで修学旅行は幕を閉じた。最後に、5日間もよく頑張った俺!と自分を讃えておこう。


『修学旅行へ行って☆
〜担任を笑わせてやろうスペシャル〜』

出席番号1番 愛里孝頼



「お前……相変わらず作文ヘタだよな」

「なんだとぅ。この傑作がわからないのかね横野!」

「いや、おい叩くな!痛い!痛いから!ちょ、お前たかより!!」





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