「とにかく神さま、全てぼくが述べた通りです」 あれから人間時間で一日はたっぷりと説法?され、俺は冷静さと現状を思い出した。 「そうだ!俺はこの世界の神!」 「そうです!」 「で、何すればいいの?」 「…もう一回眠ります?永久に」 怖いよこの天使ー! と叫びそうになった所で、当のエンジェルが笑顔で言った。 「これから下界に降りてもらいます」 「何の為に?」 「痴呆が進んでいるようですね。2ページ前でも読んで出直して下さい」 ガッ。 蹴られた。見た目赤ちゃんに。視界が反転するほどの力で。 そして気持ち悪い浮遊感。これはもしかして。 「落ちてる?!何から?!」 明るい方(太陽のある方向、つまり上)を向くと、遠くに巨大な城が浮かんでいるのが見えた。あそこから落ちたのか。 「神さま神さま」 「うわっ何ぃ?!」 耳元で声がする。気色悪いわ! 「僕ですよ、エンジェルです。神さまが居ない間は天空城から離れられないので、声だけですが」 「そんなんどうでもいい!落ちてるんですけどォ!!」 「そのまま下界に降りたら、下界で活動するのに適した銅像があります。その中に入って下さい」 「えっ何?!銅像?!」 エンジェルに囁かれている間も、止まることなく俺は落ちている。やばい。大地がだんだん大きくなってきた。 「では頑張って下さいね!」 それっきり、天使の声は消えた。 止まるどころか加速していく落下速度。鮮明になっていく大地の凹凸。 恐怖に目を瞑り、数秒後、おそるおそる目を開けた。 体が重い気がする。 手には何か握っている。これは、剣だ。 「やってやろーじゃねぇか」 これより、天下往来の旅が始まった。 top |