▼ お買い物日和
「アズール!今日は買い物に行くわよ!」
「ええ?また突然だねー」
「買いたい洋服があるのよ!」
「あ、荷物持ち?」
コクンとセレナが頷く。まぁセレナの頼みなら聞かない訳にはいかないよね!
「わぁー!」
セレナが近くの洋服屋に走っていく。僕も慌ててセレナの後を追った。
「どう?どれが欲しいの?」
服はピンク系のフリフリしたモノばかり。
こういうの好き何だろか。
セレナがじっと見つめてる洋服の値段を見ると、
「に、二万円!?」
そりゃ装飾だって派手だから結構するんだろうけど二万円……。でもセレナが着るとこれはこれで可愛いんだろうな!
「あぁ、ブランド物って高いわよ。これ買うわ!」
セレナが一直線へと服を持ってレジへ向かう。
「セレナ!僕が払うよ」
「え、大丈夫よ。自分で買うわ」
セレナがにへらと笑って振り返る。
か、可愛…じゃない!女の子に払わせるなんて、男がすたる!
「いや、僕が払う!」
頑固として譲らない僕に負けてセレナが折れてくれた。
「…分かったわ。でも後で奢らせるのよ!」
「うん!」
服を買った後、試着室からそのまま着ていくことになった。
「可愛いよ、セレナ!」
「ち、ちょっと!ここ店!」
やっぱりセレナはどの服を着ても可愛いかった。
店を出たあと、セレナが僕の手を掴んで、歩きだした。
「どこ行くの?」
「アンタがその格好だと私と釣り合わないでしょ!」
「セレナ…。ありがとう!」
「ふ、ふん!」
セレナに連れてこられたのは、品があるメンズの服屋。見るだけで高そう。
「あ、これアンタに似合いそうよ!」
ウィンドウから眺める。セレナの横顔がわくわくしているようなそんな顔をしている。
「よし!入るわよ!」
「うん、似合うわ!……すいませーん!これ、買います」
「ありがとうございます!合計三万円になります」
「ち、ちょっとセレナ!これセレナのより高い!」
「いーのよ!……た、たまに甘えてもらわないと、私の気が済まないの!」
ちょっと照れたセレナの顔。セレナの気遣いにジーンとしてきた。
「セレナはやっぱり僕のお嫁さんだね!」
「ち、ちょっとーー!!!」
(お似合いですよ、彼女さんですか?)
(はい!自慢の!)
(て、定員さん……)
――――
セレナちゃんの「…わよ!」ってところを何回も「…わん!」って打ってしまった私。
吹きました。
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