海に出る(微糖)


これの元親視点






“なんとしても護りたい”

そう思った頃から
それは俺の傍にあった

いつでもどこでも
俺の傍にあって
手を伸ばせばすぐに
触れることのできる距離だった


海の男なら
大切なものは陸に置いていく
また必ずここに帰ってくる、
そういう誓いと共に
陸に置いていく
だが、それはできなかった


どうしても護りたい
そう思えばなればなる程
傍に置いておきたくなった


大切なものだからこそ
目の届く所に置いておきたかった
大切なものだからこそ
自分の手で護りたかった

言い換えれば
陸に置いておいたら
誰かに盗られちまうんじゃないかと
子供染みた考えがあったとも言える


とにかく、
傍に置いておきたかった


放っておけない、
とでも言うのだろうか

試しに一度だけ
陸に置いていったことがあったが
とにかく気になって仕方がなかった

気になって気になって
落ち着いて海を眺めることすら
ままならなかった


それからというもの
どこに行くにも傍に置く様にした

しかし、それが災いしたのか
最近、変な虫が付く様になった



それでも俺は今日も


「親様、親様」


自慢の船に乗せて


「おう、どうした姫」


すぐ近くある


「あれ、毛利様の船。こっちに来てます」


気になって仕方がない


「チッ…また来やがったな毛利ィ!」


俺の護りたいもの、


「長曽我部、それを我に渡すがいい」


姫と共に


「何度来ても同じことよ!コイツは渡さねェってな!」


海に出る


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