またおまえかよ!


コンニチハ、雨音るいです
なんて言ってられるかよちくしょう


「何故だ…何故チャーハンが売り切れなんだよぉぉ!!!!」

チャーハンのかわりに頼んだ麻婆豆腐を食べながら叫ぶ

「るい、そう大きな声を出すな。食事中だぞ」

お母さん(マサ)に注意されました
それがどうした
私にとっては死活問題なんだ

「何が悲しくて麻婆豆腐なんか食べなきゃいけないの?何これいじめ?」

「るいさん、この卵焼き差し上げますから元気出してくださいよぉ」

スッと差し出されたお弁当箱
見た目は素晴らしいよなっちゃん
見た目は、ね

「…気持ちだけもらっとく」

しかし騙されちゃいけない
なっちゃんの料理は食物兵器並の代物だ

「そうですかぁ?遠慮しなくていいのに…あ!翔ちゃんだ!おーい、翔ちゃーん」


何とか危機を回避した私だが
今度はなっちゃんが大声で誰かを呼んだ
翔ちゃんって誰やねん


「っ那月!その呼び方やめろっていってんだろ!!」

こちらに若干小走りでやってきた帽子をかぶった男の子

「うわー、ちっちゃーい…」

おっと、つい心の声が…

「お前!ちっちゃいって言うな!!」

「翔ちゃんはちっちゃくてかわいいですよぉ」

「那月、てめぇ…」

翔ちゃんと呼ばれている帽子をかぶった彼はかなりご立腹気味だけどなっちゃんは気にしていないというか、気づいていないというか…

「あ、紹介しますね!同室の翔ちゃんです」

「翔ちゃんじゃねぇっての!俺様は来栖翔だ!!」

来栖翔くん…うん、可愛いし覚えておくか


「あれ?翔、今日は1人?トキヤとかは?」

音也くんがキョロキョロと辺りを見回して聞く

「あぁ、あいつらなら…」

「翔、勝手に行かないで下さい」

また誰か来た
翔くんの保護者?

「あ!トキヤ!」

「音也…」

何?保護者じゃなくて音也くんの知り合い?と言うか…

「HAYATO?」

「違います」

え?違うの?

「一ノ瀬トキヤ、HAYATOの双子の弟です」

あー…なるほど

「あらら、失礼した。えっと、雨音るいです」

「雨音るい…?ほぅ、あなたが…」

…一ノ瀬くん、私、何かやらかしましたか?そんなに見られてちゃ、おちおち麻婆豆腐すら食べられないよ

あー…チャーハン食べたかったなぁ

にしても、いい加減視線が痛いです


「…一ノ瀬、あまりじろじろと見てやるな、るいが困っている」

おおっ!ナイスお母さん!
さすがだよ、うん

「あぁ、すみません、つい…あなたの噂はかねがね伺っておりまして、実は」

「イッチー!おチビちゃん!」

一ノ瀬くんの声にかぶって
聞き覚えのある声がした

「探したよ、こんな所にいたのかい?って…聖川真斗」

「神宮寺…」

「うっわ、出たよジンギスカンだかジングルベルだか分からない奴…またお前かよー」

「…るい、声に出てる」

「え?わざとだけど?まぁ、どうせここからじゃ聞こえないし大丈夫、大丈夫」

「アンタねぇ…」


「やぁ、るい、それにレディ達。ランチタイムを楽しんでいるかい?」

さっきまでマサにガン飛ばししてたくせにいきなりこっちに近づいて来たジンギスカンだかジングルベル

しかも、え?何こいつさりげなく私を呼び捨てにしてるの?

そんなことより、ちょっと待て
ジンギスカンだかジングルベル
貴様、何を持っている…?


「ちゃ、チャーハン…っ!?」

「ん?あぁ、これかい?久々に食べたくなってね」

「っ…お前か!!返せ!私のチャーハンを返せ!!!」

「るい!落ち着きなさいって!」

「るいちゃん…っ!」

危うくジンギスカンだかジングルベルに殴りかかるところだった私は
友ちゃんとはるちゃんに止められ
何とか思いとどまった




ジンギスカンだかジングルベル
またお前かよ!
ホントに一々腹立つ奴だな

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