きみにのっくあうと(ギャグ?/甘?)


※姫=神宮寺のパートナー
 姫視点 (こっちは神宮寺視点)






─早乙女学園女子寮,自室


私は机に向かい曲を書いている
そしてパートナーの神宮寺レンは
人様のベッドの上で堂々と寛いでいる

人様のベッドで堂々と寛いでいる姿は
正直苛つくけれど
書き上がった曲を
見てもらわねばならないのだから
仕方ないことだ、と割りきる

物音を立てないだけまだマシだ

静寂の中、
ペンを走らせる音だけが響いている

はずだった


―〜♪


神宮寺の携帯電話の着メロが鳴った


「おっと、電話だ……もしもし?ああ、レディか…。ん?いや、冗談だよ冗談。…ああ、分かってる、分かってるよレディ。それじゃあ、また明日ね」

そういって上機嫌で電話を切った神宮寺

どうせまたデートの約束だろう


「どうしたんだいレディ?そんな眉間に皺を寄せて…」

可愛らしい顔が台無しだよ?
神宮寺は笑いながらそう続けた
いつもの軽口のはずなのに
妙に苛つく


「作業中に音を立てないでって言ったでしょう?」

「ああ、すまなかったね…ちょっと急ぎの電話でさ」


これっぽっちも悪気を
感じていなさそうな物言いに
私のイライラは頂点に達した


「どうせまたデートの約束なんでしょう?そんなにデートばっかりしてたいのなら今すぐ出ていって。ついでにコンビ解消してちょうだい。付き合いきれないわ」

「ちょっと待ってよレディ、今の電話は…」

神宮寺の言葉を遮って一気に捲し立てる

「今の電話は、何?下らない連絡取り合ってるならさっさと会いに行きなさいよ。それと、帰りに日向先生の所に行ってコンビ解消してきてちょうだい。だいたい神宮寺は軽すぎるのよ。何が“レディ”よ、ふざけるのも大概に…」

「姫!」


大きな声で名前を呼ばれ、
ビクリと体が震えた

「…何よ」

「今の電話はジョージからだ」

─は?意味がわからない
 今さっき“レディ”って…


「姫をからかうためにわざとジョージをレディって呼んだのさ。明日、俺に渡すものがあるって電話だった」

「な、何よ…それ……」

状況が把握できない


「…もしかして、嫉妬した?」

神宮寺はまさにニヤリという
効果音がつきそうな笑みを浮かべ、
ベッドから下りて近づいてきた


確かに 嫉妬 した
どこぞの“レディ”に 嫉妬 した
なんて、素直に言えるはずもなく


「…っ自意識過剰も大概にしなさいよ」

キッと、神宮寺を睨み付ける

「全く、素直じゃないねぇ…まぁ、そんなところも可愛らしいよ?」

神宮寺は不適に笑いながら私を抱き寄せた
私は突然のことに何も対応が出来ずに
神宮寺の腕に収まってしまった

「なっ…!!離せ!このナンパ野郎!」

「はいはい、コンビ解消発言を撤回してくれたらね?」

そう言って更にきつく抱きしめる神宮寺


「こんの野郎…いい加減に…」

怒鳴ってやろうとしたのに


「愛してるよ、姫」

「っ…!!」

耳元で囁く様に言われてしまい
不覚にも動けなくなってしまった



─きみにのっくあうと



(ばばばばばバカを言うな!!は、離せ!離せぇぇ!!!)

(はいはい、嬉しいなら嬉しいって素直に言えばいいのに…)

(う、嬉しくなんかない!嬉しい訳があるかっ!離せ変態!!)


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