小説 | ナノ

 22話




それからゴンのいる病室へ戻り怒りを鎮めるだけの時間は十分にあった

目を覚ましたゴンはナマエの顔を見て何かを察し試験管のサトツと共に事の経緯を説明された
話を聞いたゴンはナマエを連れて説明会場へと向かい勢いよく扉を開ける

説明会場にはクラピカやレオリオもいるが1番見たくないイルミもいる

ゴンはイルミの隣へ立つと怒りを込めた声で言った

「キルアにあやまれ」

「謝る…?何を?」

「そんなこともわからないの?」

「うん」

「お前に兄貴の資格ないよ」

「兄弟に資格がいるのかな?」

その一言にゴンは怒り片手で座っていたイルミを片手で放り投げた
イルミは綺麗に受け身を取ると少し驚いた顔でゴンを見た

「友達になるのにだって資格なんていらない!」

ゴンはイルミの腕を掴んだまま「もう謝らなくて良い」と呟く

その後ネテロの一言からハンター資格の説明を受けたのちに会場の外でクラピカ、レオリオ、ゴンと共にナマエはイルミを待ちキルアの居場所を聞き出した


ククルーマウンテンの頂上がキルアの家だと分かったナマエ達はそこへ向かう為情報収集しようという事になった

「…みんな、ごめんなさい。先に行ってて欲しいの」

行き道の途中ナマエは突然立ち止まり拳を震わせながら3人に言った

「おいおいどうしてだよ!?キルアが心配じゃねぇのか?直ぐ行ってやるべきだろ!」

「私も…同感だな。キルアはナマエに対して凄く気を許しているように見える。一緒に来ないのか?」

レオリオとクラピカがナマエを見つめながら驚きと疑問を持つ

「どうしたのナマエ?」

「ゴン…みんな、ごめんね。直ぐに追いかけるから…キルアの家に行く前に行かなくちゃならない所があるの」

「…うん!分かったよ!オレナマエを信じる!先に行って待ってるよ」

「並々ならぬ事情があるのだな。私も信じて待とう」

「ったく…しゃーねぇな!オレも先行って待っててやるよ!」

「3人ともありがとう!」

ナマエは詳しい事情も聞かず信じて待ってくれる仲間がいる事に感激していた
先程まで忘れていた笑顔が戻った事に3人は釣られて安堵の笑みをこぼした

「じゃあククルーマウンテンで!」

「うん!また後で!」

ナマエはハンターライセンスを大事に鞄に入れ少し寂しさを感じながらもゴン達との暫しの別れのため反対方向へと足を進めた

数歩進んだ所でナマエはハッと立ち止まり振り返って3人の背中に声をかける


「私!ゴンもクラピカもレオリオも!大切な仲間だと思ってる!私の初めての仲間!」

3人は振り返って手を振りながら叫ぶナマエを見て手を振り返した

「もちろん!オレ達仲間だよ!」

そして今度こそナマエは足を進めた

ナマエの目的地はゼンのいる町
念を使わず無事ハンターになれた事の報告と腕のミサンガを取ってもらうためだ
キルアの家に行くには必ず必要になるであろう念

ナマエは深呼吸して船着場へ急いだ
1分1秒でも早くキルアに会いたくて仕方がない

こんな感情は初めてで戸惑いながらも受け止めていた

島国で孤独に育ち惨劇を目の当たりにした少女は自分の足でひとつめの世界を切り開き仲間を得た






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