小説 | ナノ

 37話




脳無を打ち破ったオールマイトは主犯格の男へと足を進める

「チートがぁ…!全っ然弱ってないじゃないか!あいつ…俺に嘘教えたのか!?」

(…あいつ?)

主犯格の男が放つ言葉に疑問を覚えるが脳無を破りオールマイトがいる今ナマエは安堵していた

その時 緑谷だけが立ち止まりオールマイトの方へと走り出した

「オールマイトから離れろ!」

緑谷が敵の男に殴りかかろうとした時モヤの男が間に入る

(ワープの個性!主犯格の男が手を突っ込んだ!)

スローモーションに終始を見つめていたナマエが咄嗟に発現したばかりの地の個性を叫んだ

「ノーム!!」

ワープの先、 緑谷の顔の前に現れた主犯格の男の手をナマエの地の個性で突出した地面が抉った
それと同時に入り口から応援に呼ばれたヒーロー達が現れる

「ごめんよ皆、遅くなったね。すぐ動ける者をかき集めてきた」

「1-Aクラス委員長、飯田天哉!ただいま戻りました!」

演習場中に響く飯田声にナマエは今度こそ安堵した

「あーあ、来ちゃったな…ゲームオーバーだ。帰って出直すか黒霧…今回は失敗だったけど…今度は殺すぞ平和の象徴、オールマイト」

黒霧の個性ワープを使い逃げ果せる主犯格の敵がオールマイトを睨みつけセリフを放った後ギロリとナマエを見る

「この手の借り…覚えとくぞ女ぁ…」

「…っ!」

びくりと肩を竦めて思わず爆豪の腕を掴んだ

プロが相手にしているもの、世界。それは私達にはまだ早すぎる経験だった
この襲撃は後に起こる大事件の始まりだったんだけどこの時の私達には知る由もなかったんだ

その後警察が来て皆の無事を確認した

「おいナマエ、ちょっと来いや」

「勝己くん…」

警察の確認が終わり解放された時爆豪から呼び出され演習場の裏へと回る

数歩歩いた所で爆豪は立ち止まりナマエを無言で見下ろした

「…やっぱり…モヤの人探せって言ったのに…違う行動取ったから…怒ってる?」

「違ぇ。忘れたんか、無理すんなっつったろ」

「っ!し、してないよ!」

「嘘つくんじゃねぇ!駆けつけてみりゃ脳みそのヤツと戦ってるわ最後はクソ敵に目つけられやがって…」

ぐっと押し黙るナマエに爆豪は説教を続けた

「ごめん…勝己くん、心配かけた」

「今度は心配されねぇ戦いしろや」

“今度は”と次を見据えた爆豪の言葉はやっぱりどこまでも前向きでかっこよくて、ナマエは「うん!」と元気に答えた


そしてその後1番気がかりだった相澤の病室へと赴いたナマエ

意識が戻ったばかりの相澤から先程爆豪に言われたセリフとそっくりな説教を食らった

「でも、腕が無事だったのはお前が助けに入ってくれたからだ。感謝する…が2度はないぞ」と相澤からまさかの感謝をもらいなんだか嬉しい気分になったナマエだった






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