小説 | ナノ

 16話




放課後の轟との特訓もあってか風と水は上手く操れるようになっていた
特に「風とか水を鋭くさせて何か切れたり出来ねぇのか?」と轟の助言を得てナマエの個性は磨きがかかっていた
所謂必殺技にもなり得る形になっていた

問題は師匠がいない火だ
雄英の入試には実演があると聞くし扱えて非はない

しかし家でやろうにも小火騒ぎにでもなったら大変だ

体力と個性の特訓を繰り返している内に学校で進路用紙が配られる時期になっていた

ナマエは逸る気持ちを抑えて迷わず“雄英高校”と書く

そしていつものように轟と放課後の個性特訓を行なっていた

「そういえばナマエはなんで雄英なんだ?ヒーロー目指してんのか?」

「もちろんヒーローへの憧れもあるけど1番は会いたい人が雄英で待ってるの」


夕暮れが早くなってきた季節に赤い日差しがナマエの横顔を照らす
嫌いな赤もナマエなら綺麗に照らしてくれる気がした

「会いたいやつって?ヒーローか?」

「ううん、前の中学で同じだった友達でね、勝己くんって言うの。」

「…そうか」

会えるといいな、なんて口に出しながら素直に応援できないでいる轟は自身に少し驚きを感じていた

「そういえば焦凍くんは推薦なんだよね?なら私と試験日は別か〜なんだか寂しいや」

「別に雄英でまた会えんだろ」

しれっと言ってみせた轟にナマエは轟の顔を見る

ー まるで私が受かるって言ってくれてるみたいじゃん

「〜!私絶対合格するからね!!」

「おう」

轟くんにここまで言ってもらえて、放課後に個性の特訓も付き合ってもらえて、受からないわけに行かないじゃないか。

ナマエは背中を押された気分になった

そして季節は冬、雄英一般入試の筆記を無事に終えたナマエは実技試験に来ていた

(勝己くんと出久くんに会える…!)






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