初心者の料理のなれの果て

現在アトロポス家のリビング。押しかけたダークがパタパタとかけてくる。

「元ちゃん訊いてェ」

リビングのテレビの前のソファに陣取る元雛は、興味なさそうなうえに面倒臭そうに携帯をいじりながら、顔も上げずに返事する。

それにダークはソファに座り、昨日、餃子作ったことを伝えた。
携帯から顔を上げずに元雛は、呆れたような感心したような声で返す。

「料理初心者のくせにチャレンジャーだな、お前」

「綺麗にヒダできたんよ」

写メを無理やり見せて自慢するダークに元雛は

「はいはいはいはいはい…」

とちらっと見ただけで面倒臭そうに返事した。
面倒臭そうな態度にはツッコまずに、ダークは携帯を仕舞いながら続ける。

「そいでな?ニンニク買うたやん?」

「まあ、普通入れるからな」

多少興味を持ったのか、元雛は携帯を閉じ話を聞き始めた。

「一個半、微塵切りみしたら、なんやえぇ感じな量やねん」

「よかったなぁ」

ダークの一言に再び興味をなくし、元雛は携帯を開いて元雛をいじり始めた。

「でもな?せっかく皮剥いたさかい、みぃんな入れたんよ」

それでもダークは諦めず話続ける。

「………何個?」

嫌な予感がした元雛は、携帯をいじる手を止めて問うた。
それに対してダークは即答する。
「三個」
「………肉は?」
「500g弱」

…………

「バカだろ、お前」
「バカちゃう」
「アホだな」
「そしたらな?」
「アホは否定しねぇのな」

元雛は呆れたように言った。
呆れたように言われた本人は全く気にしない様子で、話を進める。

「えろうニンニク臭いねん。どないしたらええんやろ。まだ半分もあるんよ。
クロは2.3個で食うの止めるし、ミルフィーも5個までは頑張ったんやけどな?」

困り果てた顔で話すダーク。
それに対して流れで元雛は訊いてみた。

「残り何個?」

と。

「20個」

元雛の表情が固まった。固まったまま、沈黙する。

…と、携帯をテーブルに叩きつけるように置き、同時に立ち上がって叫ぶように言い放った。
「死ね!ニンニク3個も入れるやつ死ね!」

「元ちゃん、貰ったってェェ!!」

怒る元雛に対してダークは泣いてすがるのだった。
…いや、泣いてはいないが…


END




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