ロアさんの意外な特技

ネフィルティスがソファに座るピュセルの前を通り過ぎる時に歌う。

「ピュセルの胸はちっちゃいちっちゃいAカップぅ」

テレビを観ていたピュセルは凄まじい形相でネフィルティスを見れば、立ち上がると同時に駆け出した。

「アタシの胸はBカップだぁぁ!!」

砂埃を巻き上げ駆けていくその顔は、鬼のような形相で。
その姿をチラリと見ると、ネフィルティスは更にケラケラと笑いながら

「背中の肉も寄せて上げてかぁぁ?」

などと軽口を叩き、ピュセルから逃げるように駆けていく。

その二人が駆け巡る部屋の中で、ソファに座り、新聞を読みながらロアは

「寄せて上げてもせいぜいAカップが関の山に御座いましょう」

呟いた。

それを聞いたテツは一人分空けたロアの隣で、新聞を読むロアを見上げ

「なんでわかるんだよ」

不思議そうに問うた。
それにロアは新聞から顔を上げ、テツに顔を向ければ、更に不思議そうな顔をして

「わからぬか?」

そう、返した。

テツはネフィルティスを追いかけるピュセルを見ながら、わからないと答える。

「未熟者め」

それを聴いたロアは、馬鹿にしたように鼻で息を一つつき、そう吐き捨てる。

むっとするテツだが、態度には出さず、他の人のサイズもわかるのか問いただす。
それにはロアは即答した。

「………ネフィは?」
「Dカップ」
「………キャルは?」
「Cカップ」
「………エノは?」
「Eカップ」
「………クロロは?」「Cカップ」

数秒の沈黙。
ネフィルティスとピュセルの声が響く。

テツが沈黙を破った。

「調べた?」

テツの質問にロアは新聞に視線を落とし

「見れば服の上からでもわかるだろう」

新聞をめくり当たり前のように答えた。

テツは、ちらりと新聞を読むロアを見上げ

「俺、あんたのことますますわかんなくなった………」

呟くように言った。



数時間後。

廊下を歩くクロロの背中にテツが声をかける。

「クロロ、お前ってCカップ?」
「はぁ?」

クロロは立ち止まり、怪訝な顔で振り返った。そして続ける。

「そうだけど、なんで?」

「いや、別に……」

二人の間に微妙空気が流れた。


[結果]
恐るべし、ロア・チェルノボク……


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