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13.まずは仕掛けを施しましょう [ 14/48 ]


 イオン曰く、ルークの生体レプリカらしいです私。
 コーラル城改装に着手した時から、薄々分かっていたがハッキリと突きつけられるのは違った衝撃があるもんだと他人事ながらに思ったのも事実。
 レプリカが第七音素で形成されていることを知っているはずなのに、ローレライ消滅を望むってどんだけ馬鹿なんだ。レプリカハーレム作れないことにいい加減気付け。
「ジョゼット、先ほどの話は内密に。いらぬ混乱を招きますから」
「……はい」
 心中複雑な彼女は、少しの沈黙の後に是と答えた。賢くて何よりです。否と言えば、始末するつもりだったとは知る由もないだろう。
「まあ、分からなくもないです。目を覆いたくなるような事実が次々と聞かされれば、ね」
「私は、貴女が誰であろうと守るべき人であることには変わりありません」
「……ありがとう」
 私の心情を読んでか、彼女は私を守るべき相手であると断言した。
 ガイといい、ジョゼットといい、セシル家の人間はどうしてこうもファブレに確執を持ちながらも尽くそうとするだろう。
 新たな問題の浮上はさておき、ダアトに来た当初の目的を果たすことにしよう。
 私は、ジョゼットを連れアッシュと待ち合わせしているホテルへと戻ることにした。


 ホテルの一角にあるレストランで食事を済ませた後、併設されているラウンジに足を運んだ。勿論、変装してである。
 マリアが、奥まった個室を二つ予約しており白光騎士と供に手際よく盗聴器や隠しカメラを設置している姿に恐れ戦いたのはここだけの話。
「マリア……」
「はい、ルル様」
「今は、ルベリアです」
「はいはい、ルベリア様」
「どうして、そんなに嬉々として機械を取付けているのか聞いても良いですか?」
「アッシュが、どんな墓穴を掘るのか楽しみなんですもの。それにルベリア様が居てくれれば、キムラスカは安泰ですから」
 花が綻ぶような笑みを浮かべている割りには、言っている内容は空恐ろしい。
 過大評価されている気がしなくもない彼女の発言に、うんうんと回りが頷いていることに驚きだ。
「ルベリア様、そろそろ約束のお時間です」
「じゃあ、皆さん隣の部屋に移りましょう。ジュディ先生、後はよろしくお願いします」
 アッシュから色々話を聞き出せと目配せすると、彼は胃に手を当てながら少し緊張した面持ちで頷いたのだった。

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