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家族風呂@ [ 2/11 ]


鯖煮のさば様とメールしていた時に、蒼青2歳.verでお風呂話の話題が出て、その時に夢をIFだとどうなるかなーと考えて衝動に任せて書き殴り送りつけた物です。
最初は触りだけを書いていたのですが、続きを加筆修正しUPさせて頂きます。
ネタが被ってますが、パクリではありませんのでご容赦下さい。


 部屋で繕い物をしていたら、パタパタと軽快な足音が一つ二つと聞こえてくる。大方、子供達が私を探しているのだろう。
 スパンと空いた襖に目をやると泥だらけになった子供達が立っていた。
「ママーみっけ!」
「ちあうよ! かしゅみがみっけたの!」
「ぼくがみっけたんだもん」
「もー、けんかしちゃメッなの」
 急に賑やかになり私はフッと笑みを零した。しかし、泥だらけの彼らをそのまま部屋にあげるわけにはいかない。
「皆、泥んこになってお家の中を走り回ったらダメでしょう。お部屋が汚れちゃうわ」
 私の言葉に、彼らは目を泳がせている。可愛いったらありゃしない。
「皆、先にお風呂入りましょうね」
「「「「あい! (はーい)」」」」
 私は、桜達を風呂場へ連れて行く途中でカゴメにも声を掛ける。
「藍様、どうしたですか?」
「カゴメも一緒にお風呂入りましょう」
「え、でも……」
「良いから良いから。後で、私もお掃除手伝うわ」
 彼女の手を引き、お風呂場に到着する。桜達を大浴場の脱衣所に入れ待つように云うと、私は着替えを取りに戻った。
 途中、鯉伴と出会い腕に着物を抱えている私を見て首を傾げている。
「着物持って何してんだ?」
「これからお風呂に入るんです。この時間だと少し早いですけど、泥だらけだしそうも言ってられなくて」
 時刻は、夕方の17時を少し回ったくらいだ。お風呂に入るには、少々早すぎるだろう。
「ふぅん。貸しな、持ってやるよ」
 奪うように着物を掠め取る鯉伴に、私は苦笑を浮かべる。こういう所は、昔と変わらない。
 二人して大浴場に到着し鯉伴から着物を受け取ろうとするが、彼はそのまま脱衣所に入ってしまう。
「鯉伴様!?」
「あ、とーさんだ!!」
「りあんたんもいっちょ?」
 鯉伴の登場にテンションが上がる子供達に、彼は応と鷹揚に頷いている。私は、鯉伴の着流しを軽く引っ張りどういうことだと聞けば、彼はニヤッと笑みを浮かべて言った。
「家族風呂だろう? 俺も一緒に入って当然だろう。お前ら、着物脱げ脱げ」
 自ら豪快に着流しを脱ぐ鯉伴に、リクオ達もそれを真似て脱いでいく。
「かーたん、ぬがないの?」
 目ざとく脱いでない私を見つけた霞が、何でと首を傾げている。鯉伴は、ククッと喉の奥で笑みを殺して言った。
「藍は恥ずかしがり屋なのさ。みんな、藍の着物を剥いちまえ」
「「「「きゃーっ」」」」
 ワラワラと足元に集まる子供達がグイグイと私の着物を引っ張るものだから簡単に着崩れる。
「脱ぎます。脱ぎますから引っ張らないで」
「んじゃ、脱いで貰おうかねぇ」
 ジーッとこちらを凝視する子供達と一人やらしい目で見る鯉伴。ううっ、何の拷問か。羞恥で真っ赤になりながら、私は着物を脱いだ。
 手拭で前を隠していると、鯉伴が不服そうな顔で私を見ているが無視だ。
「皆、おいで」
 カルガモ親子のように浴室に入ると、それに習うようにチョコチョコとリクオ達がついてくる。
「鯉伴様、リクオ様と霞の身体を洗って下さい」
「任せろ。リクオ、霞こっちへ来な」
「はーい(あい)!」
 鯉伴に呼ばれた二人は、テテッと彼のほうへと走っていく。
「こら、二人とも危ないから走っちゃダメですよ」
「良いじゃねぇか。こけても俺が受け止めっから怪我なんかしねーって」
「そういうことじゃありません」
 私の叱咤に鯉伴がまあまあと取り成してくる。ぬらりひょんといい、鯉伴といい子供達を甘やかし過ぎだ。文句を言ってもぬらりくらりと交わされるので、ジットリと睨めつけるも堪えていない。
「そう言うなって。ほれ、オメェらもあんま風呂場で走り回るなよ」
 鯉伴の言葉に良い子のお返事が返ってくるが、一日経てば彼らはすっかり忘れているだろう。
「桜、おいで。九重とカゴメは少し待ってね」
「あたち、じぶんでできゆよ?」
「藍様、私も一人で出来ます」
 一人で出来ると主張する二人の内、九重はまだ難しい気がする。
「んー、じゃあ二人ともまずは一人でやってみようか」
「「あい(はい)」」
 コクンと頷く二人を隣に並んで座らせ、私の足の間には桜を座らせる。
「まずは、頭から洗おうね」
「うん!」
 手際よくワシャワシャと桜の頭と身体を洗いながら、隣で洗っている二人も時々手を出して洗ってやる。
「藍〜みてみて!」
 リクオに呼ばれ振り返ると、全身泡だらけになって抱きついてきた。
「ヒャッ!? リクオ様、泡人間になっちゃってますよ」
「エヘヘ、おどろいた?」
 ニコォと笑う姿に、思わず顔が綻んでしまう。
「リクオ、藍に抱きつくな。そいつぁ、俺のだ」
「とーさんズルイ! 藍はボクのおよめさんになるんだもん。ねー」
 泡塗れの身体でべったりくっつくリクオに、私は可愛いなぁと思いつつも言っている内容がマセている気がする。
「そうですね〜。リクオ様が、大きくなって私を覚えていたらお嫁さんになるの考えます。桜、リクオ様、泡を流しますから目を瞑って下さいね」
「藍っ!!」
 鯉伴の焦った声を聞き流しながら、シャワーノズルをリクオと桜に向けてお湯を掛けるとキャーキャーッと楽しげな声で騒ぎ始めた。
 泡を綺麗に流し終え、九重とカゴメの不十分な洗髪を手伝ってやり濯ぎ流した後は、漸く自分の番となる。
 霞も綺麗になってサッパリしたのか、プルプルと顔を振り水気をはらっていた。
「体が冷えちゃうと風邪引いちゃうから、湯船に入って。私か鯉伴様がそっちに行くまでは、絶対深いところには行かないこと」
「「「「あい! (はーい)」」」」
 ワラワラと浅い部分に腰を落ち着けお湯に浸かる彼らを見た後、私は髪と身体を洗い始める。
「藍、背中洗ってくれ」
 鯉伴に呼ばれ有無を言わさず手拭を渡され、私はハァと大きな溜息を吐きながら彼の背中を洗った。
「お返しに俺も洗ってやるよ」
「え! いえ、結構……」
「遠慮すんなって」
 ニヤッとやらしく笑ったかと思うと、ゴシゴシと絶妙な力加減で背中を洗ってくれる。気持ちよいのだが、リクオ達から見えないのをいいことに臀部を撫でたり、どさくさに紛れて胸を揉んだりするのは止めて欲しい。
「鯉伴っ、さ…ま!」
「俺は、身体を洗っているだけだぜ。あいつらに、体洗われてマンコ濡らしてるのバレても良いのかい?」
 鯉伴が卑猥なことをしなければ反応しないのに、あたかも私が淫乱だからだと言いたげな言葉にキッと睨みつけると、彼は薄く笑みを浮かべて身体を離した。
「ママいいなぁ。りあんたんにあらってもらってるー」
「りあんたん、あたちもあらって!」
「また今度な。藍、しっかり洗い流せよ」
 鯉伴は、手拭を私に押し付け手についた泡をお湯でそそぐと奴は何食わぬ顔で湯船に浸かりに行った。覚えてろと心の中で毒吐きながら、私は泡を洗い流したのだった。

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