小説 | ナノ

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「アアアァァー!! あん…んんっ、…ふか…ぃぃ…」
 腰に細い足が絡まり落ちまいと首に縋りつく藍に、ぬらりひょんは仁王立ちのままゆさゆさと揺さぶった。
「…ああんっ、あんっ…おく、あたるっ……」
 ぬらりひょんの腕と肉棒だけが、彼女を支えている。自分の体重でより深く飲み込む羽目になり、藍はイヤイヤと首を横に振りながら過ぎる快楽に涙を流していた。
「これだけ深けりゃ子供も出来んだろう」
「だからって……んぁ、ふぅん……んぁ…ひやぁ…だめぇ、イチャ…ああああっ!!」
 ジュプジュプとやらしい音が浴室いっぱいに響き渡り、嬌声がひっきりなしに上がる。
 ぬらりひょんが彼女の腰を掴み動かすことで怒張した男根が出たり入ったりしている姿が湯船に映り倒錯的だ。
 それを藍が見られないのは勿体無いと感じたぬらりひょんは、一旦彼女の中から抜き背中が向くように向きを変えた。
 再び彼女の中に入ったかと思うと、両足に腕を差し入れ赤ちゃんのポーズを取らされる。
「ひぃ…イヤッ……あ、あ…あ、あ、ぁぁん…んんっ」
「湯船を見てみな。絶景だぞ」
 ぬらりひょんの言葉に釣られ湯船に目をやると、肉棒を含み善がる姿が目に入り藍はジタバタと暴れた。
「抜けっ…変態! バカ…っ…ふあぁぁ…あふ…んっ…ぁ、ァア……」
「今さら抜けるか! 最後まで付き合って貰うからな」
 腰を動かし始めたぬらりひょんに、藍は悪態を付きながらも彼の欲望に付き合った。
 なったかと云うと、指一本動かすことも出来ないくらい疲労した藍をぬらりひょんが甲斐甲斐しく世話を焼く。
「……このド変態めっ! 絶対、お前と風呂に入らねぇー」
「その変態にヒィヒィ言わされ善がりまくってた奴は誰じゃ」
「うるせーっ! 身体は正直なんだよ。求められたら体が反応するのは当然だろう」
 ベシッとぬらりひょんの腕を叩き不貞腐れる藍に、胸が熱くなるのを感じた。
「ワシは、いつだっておぬしを求めてるんじゃがな」
 ツーッと彼女の身体をなぞりながらもう一回と伺いを立ててみるが、あっさりと却下される。
「お前は、もうちょっと自粛しろ。俺を壊す気か?」
 絶倫に付き合わされる身にもなれと心の中で悪態を吐く。口に出そうものなら相手は調子に乗るのは必死だ。
「壊しても看病してやるから、安心しろ」
 ムニュムニュと胸を揉み始めるぬらりひょんに藍は、ヒクリと顔を引きつらせる。
「全然安心できねーよっ!!」
「キューッ……」
 ガンッと頭を思いっきり殴り彼を気絶させた藍は、湯船から引っ張り上げると檜の床に転がした。
「風邪引いて寝込んじまえ」
 ケッと吐き捨てて、せめてものの情けだと手拭を股間に被せて風呂から上がった。


 ぬらりひょんが目を覚ましたのは、夜も深けたころでしっかり風邪を召していた。
 江戸と異なり、京の夜は冷えるのが原因だろう。
「藍……酷すぎるぞ…ゲホゲホッ…」
 ガラガラの喉に、流石にやり過ぎたかと藍は少しばかり反省の色を見せたものの、死にはしないから良いかと自己完結する。
「せめてものの情けで手拭を掛けてやっただろう」
「あんなもん何の意味もないわーっ!!」
「チッ……仕方がねぇ。治るまでの間、看病してやる」
「……なんでそんなに偉そうなんじゃ」
 シクシクと身体を丸め布団の上でわざとらしく涙を流すぬらりひょんに、藍はハァと溜息を吐く。
 元はと言えば、ぬらりひょんが暴走して変態行為を強要したのが悪い。
「……悪かった」
「誠意が感じられん」
 ジトーッと睨まれ、藍は口元をひくつかせる。相手は病人だと自分に言い聞かせ、ぬらりひょんに問い掛ける。
「何かして欲しいことでもあんのか?」
「身の回りの世話をしてくれ」
 無理難題を言われるかと思っていた藍だったが、至極全うな言葉に目が点になる。
「へ?」
「だから、身の回りの世話をしてくれって言うとんのじゃ。しんどくて身体を動かすのも適わん」
 ゼーハーッと苦しげに息をするぬらりひょんに、藍も流石に罪悪感が襲い掛かる。
「分かった。任せとけ」
 そう言った瞬間、ぬらりひょんの顔がニヤッと嫌な笑みを浮かべた。
「言ったな。約束じゃからな。ワシの身の回りの世話をして貰うぞ」
 フフフッと不気味な笑みを零すぬらりひょんに、藍は嵌められたことに気付く。
 この後、藍は羞恥プレイに必死で耐えながら身の回りの世話をする羽目になったのは言うまでもない。

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