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60.レンタルアルビオール [ 61/72 ]


 ディスト隊、ルーク隊、フリングス隊、そしてカンタビレ隊の四部隊が編成された。
 カンタビレ隊は、アルマンダインとマクガヴァンらと合流し世紀の大罪人達の討伐を行ってもらう事となった。
 残り三部隊については、パッセージリングの調査を最優先とし無駄な戦闘は回避。
 ただし髭一味および腐れ眼鏡一行とぶち当たった場合は、容赦なく排除する方向で話しはついた。
 ルークを守るように付けられた護衛の数は、白光騎士と近衛兵混合の総勢15名の精鋭達である。調査できる科学者はどうした!?
「ここまで多くなくても良かったんじゃないか?」
「付いてくるって言って聞かなかったんだもの。公爵だけでなくシュザンヌ様も連れて行けって仰られたし、断るなんて命知らずな真似出来ないわ」
 ルークの実力ならヴァンなんて瞬殺出来るのではないかと本気で思っている。
 だが、ヴァンを妄信する神託の盾兵は多い。数で攻められたら、幾らルークが強くても苦戦は強いられるだろうし危険なことには変わり無い。
「通信手段の確保は出来た。後は、移動手段よね。シェリダンのアルビオールを気前良く貸りれるようにしてくれるなんて太っ腹よね」
「アルビオール開発には、ファブレが投資していたこともあって借り易かったらしいぜ」
「でも良いんでしょうか? マルクトの私まで借りてしまって……」
 アスランは、この話題が出てから始終恐縮しっ放しだったりする。
「お互い様でしょう。ほら、マルクトの軍艦ラクシュミーも髭&眼鏡一味討伐部隊の足になってますし」
 二カ国+ダアトの混合討伐部隊の移動手段はマルクトの新鋭艦だ。水陸両用のタルタロスに比べ劣るものの、陸艦では恐らく一・二を争うほどの機動力がある軍艦だ。
「そうだぜ。奴等が、アクゼリュスにかかずらっている間に出来ることはしておかないと」
と、いい笑顔でそう宣うルークに嫌な具合にスレたなぁと思う。
「どうでも良いけど、これだけの人数がそのアルビオールに乗れるわけ?」
 無理だろうと言わんばかりのシンクの言葉に、私はニヤッと笑みを浮かべて言った。
「アルビオールの定員数は大人で20名だそうよ。ここで会ったが百年目、タコ殴りって寸法よ!」
 オホホホッと高笑いする私に対し、鬼だと各方面から呟きが洩れたが綺麗に無視してやる。
「私達の動きは、恐らく奴等の耳にも届いているでしょうね。預言マンセーなお馬鹿さんが、襲撃して来ないとも限らないから適度に警戒&撃退。迅速且つ精確な調査をしつつ、こまめに情報交換よ」
 私は意気揚々とした足取りでシェリダンに乗り込んだのだが、三号機が未完成で大飛譜石が必要だったりとトラブルが発生したが、ディストの空飛ぶ椅子の原動力を奪って無事完成させディストを泣かせたのは後の語り草となる。

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