寧ガト妖怪パロ01

昔から、ろくなことにならなかった。主に、皆とは違う、髪と、左眼のせい。
色だけならまだしも、この左眼はホントろくなもんじゃない。普通の人間の目に映らないものを平気で映すんだから、全く以てろくでもない。
迫害されて、仲間外れにされて。……身内でさえ、僕を見ようとしない。
両親は早くに亡くなり、親戚に引き取られたけれど、案の定、邪魔者扱いだった。
……寂しい、と、思ったことも、

「――あったような、なかったような、」
「は?」
「あ、ごめん独り言。気にしないで。」

ぼんやり考え事をしていたら口に出ていた。想い人に怪訝な顔をされたので、とりあえずさらっと弁解しておく。

(気をつけないとなあ、)

幼い頃は独り言に反応が返ってくることなど無かったから、抑えることにいつまでも慣れない。
一人ぼっちだった頃に、今そばに居る人に出会った。
最初からなんとなく違和感があって、――今思えばそれは左目が"彼の正体"を捉えていたから、なのだけど――そんなのが何かわかるはずもなく、幼い僕は毎日のように彼の家(仕事場でもあるようだった)に通っては、開きっぱなしの戸から彼の後ろ姿を観察していた。
ある日、親戚にぶたれて、慣れきっていた僕はそのまま彼の家に来た。そして、はれている頬を見咎められて声をかけられ、いつものように逃げ出した、筈が。よりにもよって、――あとにも先にもその日その時だけ――僕は、すっ転んだ。
盛大に転んで怪我を増やした僕を抱え上げて連れ帰り、手当てをしてくれた彼は、乱暴に僕の頭を撫でた。
ごく自然な子供扱いが、とても普通に嬉しかったことを覚えている。
それからは、結局毎日のように通いながら、それまでとは違って彼とよく話すようになった。

――あれから何年もたって、今。
どういうわけだかあれから全く変化していない関係。
彼の正体を知ろうと、僕が大人になろうと、僕は彼を慕い続けたし、彼は僕を子ども扱いし続けた。

それだけで充分幸せ――だったと思っていたのだけれど。
それこそどういうわけだか、僕は彼に恋愛感情を抱いていた。

いつからかはわからない。どういうきっかけがあったのかも、全然覚えが無い。
それなのに僕は、彼を"愛した"。
自覚し始めたのは少し前。はっきり認めたのはつい最近。

……けれど取り敢えず、今はまだ、このままでも良いかと思う。
だって、暖かな親子愛に浸っているのも、悪いとは到底思えないから。





よくわからない出来になった\(^o^)/

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