05

【日常的な会話。】

珍しく困惑気味な澪。
その視線の先には、

ぐったりと机に突っ伏している俺。

「慧さーん、」
頬杖をついたまま澪が話し掛けてくる。
「んー……。」
生返事しか出ない。
そんな俺に、呆れたようにため息を吐いてから、澪はもう一度口を開いた。

「どうしたのさ、そんなぐったりしちゃって。」
「聞いてくれっか灰谷……。」
「あーうん聞くからとりあえず話しなよ。」
「げんなりした声出すなよ、萎える。」
「何が?」
「ナニが。嘘。話す気が。」
「はよ話せし。」
「サーセン。」

男同士だからこそ出来る軽い下ネタ混じりの会話を適当にこなしてから、単刀直入に質問に答えることにした。

「まあ、ただ単にレポートのせいで眠いだけ。」

「なんだそんなことか。」
至極つまらなそうに澪は呟き、その数秒の後、何かを思い付いたような顔をして、笑う。

「僕が癒してあげるよ。」

「……なにで?」
「ナニで。なんてね、放課後甘いものでも買って帰ろうか。で、家で思う存分休みなよ。」
「……そーすっかー……。」





かわいこぶる彼のセリフ
5.僕が癒してあげるよ


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