いち

*R-18注意。*





 ぎし、と軋むスプリングに、澪は僅かに眉を寄せる。
(ちょっと……強度が心配だよね。)
 安物のシングルベッドだ、例え片方が標準より幾分も軽い澪だとしても、男二人が乗って、挙げ句その上でセッ……運動するとなれば、少々心配でもある。
「痛っ?」
 急に背中に走った痛みに思わず声を上げると、意識はくだらない思考から引き戻され、涙目でこちらを睨む恋人の姿が視界に映る。
「なっ、に、かんが、えてんだ……っ、」
 どうも意識が逸れていたのがばれたらしい。背の痛みは、おおかた立てられた爪によるものだろう。
 ふむ、と考え、慧さんのことだよ、とうそぶいてみたが、即座に嘘つけ、とまた睨まれてしまった。
「んー……、ごめんね?お詫びにたくさん、良くしてあげるから。」
 言いながら深く穿つと、慧の体は面白いように跳ねた。
「ひッ?!あ、ご、まかす、な、あっ……ぅあ、ッアぁ!」
 びくびくと跳ねる体に幾つか朱い花を散らしながら、慧の言葉を受け流す澪に苛立ったのか、背中に立てた爪はそのままに、唇に噛み付いてきた。
 ほんの少し見開かれた黒い瞳は、直ぐに細まり、慧の腰に回していた手を動かして後頭部を固定してしまうと、吐く息さえ貪るように舌を絡めた。
「っふ、ぅん、ん……っ、は、んうぅ、」
 あまりに激しいキスに酸欠になりかけた慧は、苦し紛れに澪の背中を引っ掻く。
 ガリリ、と嫌な振動が背から伝わるが、澪は先程とは違い喉の奥でくつくつと笑うだけだった。
「っふぁ、はっ、あぁ、あ、っ、」
 息を解放してやり、苦しげに息を吸って喘ぐ慧の目尻に溜まった涙を舐めとってやる。
 僅かにクリアになった慧の視界には、酷く楽しげな澪の笑顔。なんとなく、やっぱり、いらついて。
「ば、かぁ、っう、ばかみお……ッ!」
「……心外、だなァ……、かわいいから、良いけど、ねっ……!」
 荒く息をしながら言い、澪はことさら深く腰を打ち付けた。
「ア、ッあ!ひっ、あぁあああッ!」
 突き上げられる感覚に耐え切れず、慧はぴんと四肢を張って熱を吐き出す。それに引きずられるようにして澪も、熱を放った。
「っは……はぁ、う……、」
 どこか呆然としている慧の額に張り付いた前髪を避けてやりながら、澪は息をついた。
「は……大丈夫?」
「……ぃじょぶ、じゃない……」
「だよねー。」
 弱々しい返事に苦笑を漏らし、ずるりと入ったままだったモノを引き抜く。
「ひ、ぅ……っ、」
 快楽の余韻が残っている慧の甘い声は、とりあえずスルーしておいた。




なんか急にエロが書きたくなって……。
すいませんでした。
喘ぎ声って一番試行錯誤しちゃうんですけど、僕だけですかね。


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