06  




案の定、家族は私の姿をみて涙をほろほろ流す
私が言うのもなんだが家族は私溺愛だ、私も家族が好きだ。
そりゃあもう家族は青ざめ唇を震わせている、私が事件に巻き込まれているのを信じたのだろう。

空条さんに背負われ家族と一緒に病院に運ばれた。
命に別状はなかったが数か月は歩く事すらままならないらしい
足も恐らく後遺症が残るだろうとのことだ。
あーあ、好奇心で事件に突っ込んだ罰だねこりゃ

次の日、私の病室では緊急家族会議。空条さんを含めた
私はこの町に残り、家族は東京の方へ避難することに
資金は空条さんが持ってくれるとのこと。

「でも、やっぱり心配だわ…。私も一緒に…」
「…娘さんは、私が命をかけて守り抜くと約束します。」

お母さんは空条さんの真剣な目に、彼を信用することに決めたらしい。
家族は「娘をよろしくお願いします。」と頭を深々と下げた

「だが娘に手をだしたら許さんぞ!」
「ほら行きますよあなた」

両親は相変わらずだ。

「孫をよろしく頼む。」
「優陽ちゃん、気を付けてね…。」

優しい祖父母ともお別れをして、静かな病室になる。
空条さんは備えつきの椅子に座り誰かに電話をしている、

「よし、もうすぐここに東方仗助という奴がくる」
「誰ですか、その人」
「俺やお前と同じスタンド遣いだ、お前の怪我を治してくれる」

回復系のスタンドかぁ、ゲームみたいだなぁ。
空条さんは、とても無口で会話という会話は無かった
いやあ、でも本当に何をしても美形は美形だ。羨ましいな
綺麗な緑の瞳はビー玉みたいにキラキラで、ずっと見ていた。

30分くらい経って、高校生が病室に入ってきた
これまた男前で、彼が例の回復系のスタンド遣いなのだろう

「じゃあ、さっそく治してやってくれ。」
「あ、ハイ。わかりました」

スッとスタンドをだし拳を用意するスタンド…
拳を用意するスタンド…。

「ちょ、ちょちょ!えっ、もしかして殴る感じ!?」
「そうッスけど…」
「えぇえ!怪我治してくれるんじゃなかったの!?」
「だから殴るんッスよ」

そんな馬鹿な、驚愕している間に「ドラララー!」という掛け声とともにそれはもうメッタメタに殴られる。
痛い、と思った瞬間に痛みは消え
驚くことに皮膚の切り傷も骨折も治っていた、後遺症もない様子
ベットから降りて体操ができるほど治っている。

「すごい!ありがとう仗助くん!!」

ぎゅっと手を握り握手を交わす。
目の前の彼も緑の瞳だ、空条さんと同じくらい綺麗だ
それに…

「その髪型…」
「あぁ?」
「なんか素敵だよね。頼もしい感じ、カッコいい!」

髪型、と言った瞬間とても怖い顔をしたが
次はポカンと呆けた顔をする。

「…っぷ、あはは!グレートッ!
お前、名前は?」
「苗字名前、仗助くんも高校生だよね
私も高校生なんだ」
「へぇ、同い年か?俺16歳」
「あ、同い年だ!」

身長あるから私と同い年か年上かと思ったけど年下だったのか。

「これからよろしくな、苗字」
「よければ名前でよんでよ!ほら、友達だし!」

そう、私たちはこれからはフレンドなのだ
この町で友達なんて初めてかもしれない、
町に留まるのはいつも一週間ほどだからあえて作らないようにしていた。

「これからよろしくね。」
「あぁ、よろしくなァ〜」


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