04  




「スタンドぉ…?」
「あぁそうだ。」

この男がいうには昨日の不可思議なこの男の行動は“スタンド”というこれまた不可思議な能力らしい。
「ふーん」と、信じられませんなァという顔でストローでオレンジジュースをズゾゾゾと吸う。

「証拠を見せよう。」

腕を掴まれ人気のない場所に連れていかれる。
痛いですってば。もう、なんでこう強引なのかなぁ

「これがスタンドだ。信じたか?」

出てきたのは人型であったが
明らかにこの世のものではない…。
なんだこれ、本当に現実?
すごく、楽しい

「…へ、へぇー。本当だったんだ」

楽しくて半笑いながらスタンドというのにぺたぺたと触る
感触がある。触れるのか

「…さぁ、お前も出してみろ」
「だ、出してみろって…。そんなこと言われても…」

そんなこと言われても困るが、とりあえず念じてみたり力んでみたりした
すると隣に何かを感じる。
見てみると人が…いや、スタンドがいた
全身真っ黒。だが発光する綺麗なマントを羽織っている。

「で、でちゃったわ…。」
「これが昨日の…。どういう能力なんだ」
「さぁ…。昨日あなたはなんであたりをキョロキョロしだしたんですか?」
「…あたりが真っ暗になった。電気を消したとかいうもんじゃない
あたりが“黒”一色になったんだ」

黒一色…ねぇ。
周りの視界を奪う能力とか…?
いや、なんだかそんな単純な能力ではない気がする。

「このスタンド、ってやつに自我とかあるんですか?」
「あるものと無いものがいる」
「ふーん。じゃあ君!これからよろしくぅッ」

…返事ナシ。自我は無いらしい
ということはこいつから能力を聞くことはできない。
よし、じゃあ力めばなんか出るかも

「う、うりゃっ!」

ジュッ――
ん?ジュッ…?
目の前のコンクリート壁に穴が開いている半径2pくらいの
最初に来た時、こんな穴なんて開いていただろうか。
穴は突きぬけていて向こうが見える。


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