02  




「りゅ、竜ヶ峰、帝です。」

おっと、先ほどから私のクラスで行われている自己紹介タイム。
前の席の生徒が自己紹介を終わらせついに私の出番が来たようだ。

「夏至戸 名前です。皆、よろしく」

無難に終わらせた、悪目立ちすると後が怖いからな。
記憶に残らないくらいの無難さがちょうどいい。

「おい夏至戸…明日からはそのジャージ脱いで来い」

私はスカートが嫌いだ、ぴらぴらしてて寒いし。
足が覆われていないと何故だか不安なのだ、
故に私は制服ではなくジャージで登校してきた。
なるほど、登校時から何人かこちらを見ていたが私は悪目立ちをしていたのか。

自己紹介タイムも終わりに近づいてきたところ
遅れて男子生徒が教室の扉をガラリと開けた
なんか色々言って出ていったが…入学早々不登校宣言か…。
池袋はすごいやつがいるな、あれが不良というやつか?

それからは委員会決め、
クラス委員で少し時間がかかったが、無事に真面目そうなやつが二人、立候補した。
勿論私は委員にも部活にも入らない、直帰で遊びたいから。

「キミ、えーっと竜ヶ峰…だっけ?
すごいね、クラス委員に立候補とか偉いじゃん」

話しかけた理由は、前の席だっから。
さすがに友達いないのは避けたかったし

「い、いや。それほどでも」

竜ヶ峰は頭に手を当てて照れた様子
しばらく雑談をしていると竜ヶ峰の友達が来た。

「あ、紀田くん」
「あっれー、帝そいつだれよ?」
「あぁ、この子は夏至戸名前さん」

お、名前覚えててくれたのね。
私はとりあえず前と隣の席のやつしか覚えていない。

「えぇっ、女の子だったの!?」
「あぁ、一応」

紀田、というやつが驚くのは無理もない
髪は短いしで少しボサボサ身長も竜ヶ崎と同じくらいかそれ以上。
しかもダボダボのジャージだから見分けがつかないのも無理はない。声もよく中性的と言われる。
竜ヶ峰は教師が呼ぶとき「〜さん」と言っていたのを覚えていたのだろう。
こいつらとは成り行きで一緒に帰ることになった。
というか紀田のナンパに付き合わされることになったの間違えだ。
『夏至戸お前女に見えないから大丈夫っしょ!』と言っていた紀田許すまじ


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