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- ナノ -

ナマエがいるらしい病院にやって来て当てもなくうろついてやっと見つけたソレは見違えるように痩せこけて、

ナースの姉ちゃんにナマエの病室を聞いた。しばらく待っていると、車いすに乗せられたナマエが帰って来た。

「銀時と別れた日…余命二ヶ月の病気だって言われた」
「え……?」
「笑っちゃうでしょ?今までのんきに生きてたのにあと二ヶ月で…ってもうあと一ヶ月もないんだった」
「お前ェ…なんでそんな大事なこと黙ってたんだよ!」
「大事なことだからだよ」
「俺ァそんなに頼りねェか…?」
「違う、」
「俺ァお前にとってそれくらいの男だったのかよ…!」
「違う!…大切だから言えなかったの!」
「どうして、」
「私もう死ぬんだよ?」
「治るかも知れねェだろ!」
「治らない。もう、治らない。自分の限界くらいわかるよ」
「ナマエ…」
「銀時が私を忘れて次の誰かを好きになってくれないと…銀時が幸せになってくれないと私が困るの」
「俺の幸せをお前が勝手に決めてんじゃねェよ!」
「…っ」
「俺ァ…お前と居られればいいんだ」
「銀時…っ」

ナマエは泣いた。馬鹿みたいに大声あげて泣いた。俺の胸で。俺ともっと一緒に居たかったと、俺と家族を作りたかったと。

もっと、もっと生きたかったと。

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