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優しい副長と片頭痛


「何してんでィ」

「何って…隊長こそ。ここ食堂ですよ?お仕事は?」

「俺はサボりですぜィ。土方さんは見回りに行きやしたがアンタが一緒じゃないとは珍しいこともあるもんだ」

「今日は仕方ないです」

「どうかしたのかィ?顔色が悪いみてェだが、生理か」

「違います。大丈夫ですから、ちょっとほっといてもらえます?すみません」

「…あ、土方さん」

「副長?」

「名前大丈夫か?」

「まぁ何とか…」

「土方さん、コイツどうしたんですかィ?」

「今日天気悪ィだろ。こいつ偏頭痛持ちなんだよ、極度のな」

「なるほど」

「動けるか?」

「ちょっとキツイ…ってか頭痛くて吐きそう」

「ハァ。頭痛薬買ってきたからコレ飲んで寝てろ」

「こりゃ本格的に顔色が悪いですぜ?大丈夫かィ?」

「副長ぉ…」

「ほら、連れてってやるから泣きべそかくんじゃねェ。鬱陶しい」

朝から天気が悪いせいで偏頭痛がひどくて仕事なんか出来ない私は、市中見回りに行くと言った副長を見送った後、食堂のテーブルに突っ伏してた。動けそうも無い。そしたら隊長がやってきてあれこれ言ってくる。お願いだから一人にして、頼む三百円あげるから。

だるい体を起こして隊長の相手をしていると副長が帰ってきた様子で、手には薬局の袋。私のために薬を買ってきてくれたらしい。天気が悪い日はとても優しい副長、普段もこのくらい優しいなら良いのに。

結局副長は私をおぶって部屋まで連れて行ってくれた。

「わがまま言っても良いですか」

「ンだよ。いつも言ってるくせに気持ち悪ィな」

「副長の部屋で寝てちゃダメ?」

「あ?」

「副長の部屋でなら眠れる気がする」

「わかったから薬飲んでさっさと寝ろよ」

「今日は優しいんですね」

「具合悪い奴に辛く当たるほど鬼じゃねェよ」

「やっぱり好きです」

「…うるせェ」

副長の耳がほんのり赤い、コレは見なかったことにしてあげよう。


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