「今日は副長を一人にしてあげて」
と、山崎に意味のわからないお願いをされ、副長補佐を務める私は必然的に暇になってしまった。そう思っていたら、なんだかいつもより元気のない沖田隊長に声をかけられ一緒に出かけることになったのだ。
なんだろう、今日は屯所全体が静かだ。
「隊長、ここって」
「すいやせん、仏花を下せェ」
隊長には何とも似合わない花屋、そして仏花。朝からのことを思い出しながら私は過去のあの事件を思い出していた。そうか…今日はミツバさんの…
隊長は控えめな花束を持つ手と反対の手で私の手を握った。なんだか少しだけ震えているような気がする。
無言のまま歩き続け、辿り着いたのはやっぱりお墓で。ひとつ予想外のことがあったとすれば、副長がいたことだろうか。墓前にしゃがみ込んで手を合わせていた。
「姉上に何の用でィ、土方コノヤロー」
「総悟と名前か…」
副長はそれだけ言って一瞬私の顔を見たかと思うとすぐに帰って行った。なんだか目が赤かったような…
「隊長、」
「なんでィ」
「副長は…今でもミツバさんのことが好きなんでしょうか」
「さぁねィ。野郎が姉上のことを好きだったのは確かだろうが……今は…知らねェや」
「私じゃどうにもならないんですよね」
なんだか、それもそれで悲しいな。
「お前が姉上の代わりになれるわけねェだろう。…お前はお前だ。」
隊長は悲しげな笑みを浮かべて私の頭を撫でた。…隊長なりの励ましなのかな。
「(ミツバさん、副長が幸せになれるように、それまで死なないように私が隣でしっかり見張っておきますから)」
「…姉上に変なこと言うんじゃねェよ」
「副長は私が幸せにしますって言っときました」
「はいはい。姉上の代わりに幸せにしてもらえ」
「さっき代わりじゃないって言ったくせに!」
「はは、悪ィ悪ィ」
「悪いと思ってないでしょー」
「まぁ…土方さんには姉上みたいな完璧な女よりもお前みたいな欠陥品がお似合いでさァ」
「け、欠陥品!?」
「うるせェ。帰るぞ」
「…はーい」
と、山崎に意味のわからないお願いをされ、副長補佐を務める私は必然的に暇になってしまった。そう思っていたら、なんだかいつもより元気のない沖田隊長に声をかけられ一緒に出かけることになったのだ。
なんだろう、今日は屯所全体が静かだ。
「隊長、ここって」
「すいやせん、仏花を下せェ」
隊長には何とも似合わない花屋、そして仏花。朝からのことを思い出しながら私は過去のあの事件を思い出していた。そうか…今日はミツバさんの…
隊長は控えめな花束を持つ手と反対の手で私の手を握った。なんだか少しだけ震えているような気がする。
無言のまま歩き続け、辿り着いたのはやっぱりお墓で。ひとつ予想外のことがあったとすれば、副長がいたことだろうか。墓前にしゃがみ込んで手を合わせていた。
「姉上に何の用でィ、土方コノヤロー」
「総悟と名前か…」
副長はそれだけ言って一瞬私の顔を見たかと思うとすぐに帰って行った。なんだか目が赤かったような…
「隊長、」
「なんでィ」
「副長は…今でもミツバさんのことが好きなんでしょうか」
「さぁねィ。野郎が姉上のことを好きだったのは確かだろうが……今は…知らねェや」
「私じゃどうにもならないんですよね」
なんだか、それもそれで悲しいな。
「お前が姉上の代わりになれるわけねェだろう。…お前はお前だ。」
隊長は悲しげな笑みを浮かべて私の頭を撫でた。…隊長なりの励ましなのかな。
「(ミツバさん、副長が幸せになれるように、それまで死なないように私が隣でしっかり見張っておきますから)」
「…姉上に変なこと言うんじゃねェよ」
「副長は私が幸せにしますって言っときました」
「はいはい。姉上の代わりに幸せにしてもらえ」
「さっき代わりじゃないって言ったくせに!」
「はは、悪ィ悪ィ」
「悪いと思ってないでしょー」
「まぁ…土方さんには姉上みたいな完璧な女よりもお前みたいな欠陥品がお似合いでさァ」
「け、欠陥品!?」
「うるせェ。帰るぞ」
「…はーい」